それだけではない。デジタル庁といえば、
『平井デジタル相が出席の会議、音声データ保存せず 私文書扱いに』(毎日新聞WEB9月16日)
という驚きのニュースがあった。内閣官房IT総合戦略室(IT室、現デジタル庁)の幹部とオンラインで開いた定例会議の音声データについて、公文書扱いせず、多くを保存していなかった。このあとの報道でNECを「脅しておいた方がよい」と発言した回以外の音声データがすべて廃棄されていたことが判明(朝日新聞9月18日)。
なんというアナログ。平井大臣が廃棄は恣意的なものではないと言えば言うほど「アナログ庁」の臭いがプンプンする。
そして驚くべき事実を発見してしまった。四国新聞はこの『音声データ廃棄』を紙面で一切報じていないのである(9月27日現在)。衝撃だ。ファミリー企業ってやさしいなぁ。
その代わりに四国新聞はデジタル庁が発足した翌日は一面トップで華々しく報じていた。
『デジタル庁発足 行政オンライン化推進 生活利便性向上に期待』(9月2日)。
その左にはデカデカと「初代デジタル相就任 平井卓也氏に聞く」とある。にっこり笑った平井先生は「国民目線で改革 透明、公正、迅速に」と語る。平井卓也氏に聞くというか、社長のお兄様に伺っているのだが。
これを香川県民の慶事であるかのごとく大きく一面に載せていた。ファミリー企業って本当にやさしいなぁ。
やさしいファミリー企業の「忖度」
一面と言えば、他の新聞がデジタル庁の音声データ廃棄問題を報じている頃、四国新聞は「始動 デジタル庁 識者からのメッセージ」という読み物を一面に載せていた。
そこで平井氏のNEC恫喝発言に関し、経済ジャーナリスト・須田慎一郎氏の「この会議のやりとりの一部音声が平井大臣に不利な形で切り取られ、一部メディアに流出し、大臣に批判が集中することになった。悪意を持って音声を流出させた側の狙いが、既得権益に手を突っ込んできた大臣を失脚させることにあったのは間違いない」という言葉を載せていた。
つまりオリパラアプリの既得権益と戦っていたのは平井先生その人である、という見解を四国新聞は一面に大きく載せていたのだ。
ファミリー企業ってつくづくやさしいなぁ。
では音声データ廃棄問題についてはどう擁護するのでしょうか。それとも紙面ではこのまま載せないつもりなのか。それは香川県民の利益になるのでしょうか?
四国新聞の親ガチャ、ファミリーガチャにも程がありませんか。