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俊介、大和、今成亮太…今年で34歳、同い年の彼らへの特別な思い

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/10/14

 10月11日。ドラフト会議が行われ、阪神タイガースは最速154キロ右腕・森木大智投手(高知高)を1位指名し交渉権を獲得した。1巡目では小園健太投手(市立和歌山)を指名したがDeNAと競合。抽選の結果小園の交渉権はDeNAが獲得した。ソフトバンクは最速157キロ右腕・風間球打投手(名桜)を単独指名。高校BIG3と呼ばれた3人はそれぞれ1位で指名を受けた。今年指名を受けた高卒選手は小園世代と呼ばれるのだろうか。それとも森木世代、風間世代、はたまた楽天に1位指名された吉野創士外野手(昌平)の吉野世代と呼ばれるのだろうか。

同学年というのは特別な存在だ

 みなさんは誰世代だろうか? 私は、昭和61年度生まれの“ダルビッシュ世代”、昭和63年度生まれの“まぁくん(田中将大)・ハンカチ王子(斎藤佑樹)世代”の『間』の世代である。現在NPBで現役選手なのは、山口俊(巨人)や大和(DeNA)、川端慎吾(ヤクルト)、T−岡田(オリックス)、平田良介(中日)、祖父江大輔(中日)や角中勝也(ロッテ)、炭谷銀仁朗(楽天)など。そして、阪神では唯一現役で頑張っていた俊介が今季限りで現役を引退した。この世代に生まれた私は、「誰世代?」と言われるといつも悩む。ドラフト時の目玉は当時大阪桐蔭高校で巨人に1位指名された辻内崇伸だったことから、辻内世代と答えることもある。

 同学年というのは特別だ。私が阪神担当になって初めての2015年2月の沖縄キャンプ。監督やコーチ、選手に恐る恐る挨拶に回っていた。今成亮太に挨拶に行ったときに「同学年です」と一言添えると「え? ウサギ年? よろしく!!!」と一気に表情が緩んだ。当時の阪神には今成の他に、大和(現DeNA)、俊介、二神一人、鶴直人、藤原正典、田上健一が在籍していた。その後この6選手に挨拶に行くとみんなが「同い年なんでしょ? よろしく!」と声をかけてくれた。プロ野球の現場でなかなか取材に慣れない私に、球場で野球のことをたくさん教えてくれたのもこのメンバーだった。

 今年7月。平成の怪物・松坂大輔(西武)が今季限りでの現役引退を表明した。おそらく、元高校球児だけでなく今年41歳を迎えた人は“松坂世代”を口にしたことがあるだろう。“松坂世代”はWikipediaにも、その言葉の意が記されている。

【松坂世代(まつざかせだい)は、松坂大輔と同学年にあたる1980年4月2日から1981年4月1日までに生まれた世代の日本のプロ野球選手のことを総称して呼ぶ語。また、最終的にプロ野球選手にはならなかったものの、高校野球や大学野球で彼らと共にプレーした著名人なども合わせて「松坂世代」と括られることも多い】

 21世紀に生まれた今の高校生は松坂の活躍を映像でしか知りえない。しかし、1つの言葉として残っていく“松坂世代”がその凄さを物語っている。会社員の人も自営業の人も、畑は違えど同世代の頑張りというのは刺激になる。誇りにすら思っている人もいるはずだ。松坂大輔の引退表明には、特に寂しさを覚えた人も多かっただろう。