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総裁選の論戦で決定的にわかったのは女性2人の方が男性2人よりコミュニケーション能力が高かったということだ。河野氏は乱暴だったし岸田氏は悪いけど昭和のオジサン。それに比べて高市氏は主張は激しいが語り口はソフトだし、野田氏のしゃべりは一番わかりやすかった。岸田氏は官房長官に女性2人のどちらかを充てるというのはどうか。

河野氏は幹事長などと言う人もいるが今回は無役の方が次を狙えていいと思う。岸田政権は短命かもしれないからだ。ただあまり政権を批判して「石破化」はしない方がいいけど。

開票結果を待つ間、石破氏は天を仰いだ

岸田氏勝利の理由は「貯金」と「お土産」

なぜ自民党は「無茶」な河野でなく「安定」の岸田を選んだのか。岸田政権の前途はわからない。これまでの歴史を見ると長期政権の後は短命政権が続いている。ただ岸田政権には「貯金」と「お土産」がある。

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「貯金」は安倍元首相が残した「国政選挙6連勝」だ。このおかげで衆参ともに自公で過半数をがっちり確保しており、一度の選挙で多少負けても毎年の予算は通る。だから短命になりにくい。政権が長く続くと成果も出る。

「お土産」は退陣する菅首相からで、ワクチン接種を強引に進めたおかげでコロナは終息しつつあるし、厄介な東京オリパラも開催してくれたので、大きな懸案がない。むしろ今後経済は復活する。

 

つまりこれだけの貯金とお土産があれば、首相は誰でも務まるのではないか。菅退陣で政党支持率が上がり衆院選で大負けすることもない。だったら「無茶」より「安定」を選ぼうと自民党は守りに入ったのかもしれない。それが吉と出るか凶と出るかはわからない。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】