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母親は、殺害された姉に「良かったね」と語りかけた

高沢被告の母親:
殺人というのは私にはあまり…腑に落ちない。翔悟本人も死にたい気持ちがあり、将来を悲観していた。絵里香も、常々死にたいと言っていた。それを叶えたんだろうと、無理心中で自分もだと思う

高沢被告の母親は、証言台に立ち、「殺人というのは、あまり腑に落ちない」と述べた

高沢被告の母親:
絵里香が亡くなったことは、もちろん悲しいのは当たり前です。ただ、あれだけ(死を)望んでいたので「良かったね」と言ってあげました

言葉を絞り出すように、涙声で証言を続ける母親。その姿をまっすぐ見つめていた高沢被告も、時折、袖で顔を拭った。

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今後、裁判は、刑事責任能力の程度が争点となる見通しだ

弟は心神耗弱状態か 刑事責任能力の程度が争点に

弁護側は「高沢被告は犯行時うつ病により、心神耗弱の状態で、価値のない自分と姉は生きているべきでないという狭い思考を抜け出すことが困難だった」と主張。一方、検察側は犯行時、心神耗弱の状態だったことを認めた上で、「大きく責任非難を低減させるものではない」と指摘した。

裁判は、刑事責任能力の程度などが争点となる。悲劇を生んだ、いびつな「家族の形」を、一般市民である裁判員がどう判断するかが注目される。

(フジテレビ社会部・千葉支局 風巻隼郎)