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権藤博氏が“放送事故寸前”になってもドアラを無視し続ける理由

 森氏は愛情ゆえに厳しく“非難”しているのだ。そう、ドアラは誰からも愛されるマスコット……と書きたいところだが、終始“無視”を貫く男がいた。中日で「権藤、権藤、雨、権藤」と言われるほど投げまくって、1961年から2年連続30勝以上を挙げた権藤博氏である。

 調査期間中、権藤氏は3試合で解説を務めたが、一度もドアラについてコメントしなかった。

 それどころか、9月3日のDeNA戦では“放送事故寸前”までいった。ドアラ登場の直前、1対0のスコアボードが映る。森脇淳アナが「さて、この後どうでしょうね」と振ると、権藤氏は持論をまくし立てた。

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「(投手は)もう1点くらい入って、2―0ぐらいになるとね、勝たなきゃ、ということがあるんですけど、そりゃ1―0でも勝たなきゃいかんと思いますけど、勝つということよりも、抑えることしか考えられないんです。点やらないように、どうやったら投げるか。戦うしかないんですよね。これがね、2点、3点になってくるとねえ、守りたくなるんですよ」

9月3日、ドアラが踊りながら登場するも解説の権藤氏はお構いなしに喋り続ける(J SPORTS 2より)

 森脇アナは、ドアラが登場しても試合について喋り続ける権藤氏に困惑。「はい」「はい」と相槌を打つも、決して話を広げようとしない森脇アナは「さて」の一言で難を逃れ、ドアラのバック転をなんとか実況できた。一方の権藤氏は、いつものようにドアラについては無言を貫いた。

10月5日、PENICILLINの『ロマンス』に合わせてリズムを取るドアラ(J SPORTS 2より)

 森脇アナは再び権藤氏とコンビを組んだ10月5日の広島戦で、カメラがスコアボードを映した瞬間、「さて、ドラゴンズは……」と試合の話をしようとした。しかし、1ヶ月前の悪夢を思い出したのか、すぐに「……バンテリンドーム、ドアラのバク転の時間になりました」と慌てて話題を切り替えた。この日、森脇アナは権藤氏の名前こそ呼ばないものの、「どうしますかね、捻りますかね」と疑問系で話すこともあったが、権藤氏は無言のまま、ドアラのバック転タイムが終了した。

10月5日、バック転に失敗して天井を見上げるドアラ。権藤氏は無言(J SPORTS 2より)
10月5日、バック転を失敗して全速力で帰っていくドアラ。権藤氏は無言(J SPORTS 2より)

 権藤氏の“無視”は「ドアラはまだまだ三流。もっと這い上がってこい」という言外のメッセージなのかもしれない――。