菊池涼介から仕掛けられたドッキリ
現役選手で最も交流が深いのは菊池涼介ですね。
初めて会ったのは2015年のシーズン中でした。マツダスタジアムで日本ハムとの交流戦を観戦していたところ、近くのファンがザワザワし始めて、何が起こったのかと周りの様子をキョロキョロ窺っていました。すると一塁ベンチの方から「ロンブーの田村淳がおるぞ!」って声が聞こえてきたんです。淳が来てるのかと知って、すぐに「もしかして今広島で野球観てる? 俺もいるよ」って連絡して、高橋真麻とロケで広島に来ていたようで、その後3人で食事に行くことになったんです。
すると、試合後にすぐ当時現役だった中東直己から「今日ズムスタに淳さん来てました!」って連絡があって、その流れで食事に誘ったんです。そこで中東が「他に誰か誘いましょうか?」と気を利かせて連れてきたのが菊池だったんです。中東、よく菊池を呼んでくれた!って思いましたね(笑)。
それ以来、菊池と何度か会うようになったのですが、その中で2人の関係性がぐっと近づくきっかけとなったエピソードがあります。
ある日、広島でご飯を食べているとき、急に「山さん、明日何時に東京帰るんですか?」と聞かれて、「明日は夕方くらいかな」と答えると、「じゃあ、午前中ちょっと一緒に病院に行ってくれませんか? 兄貴が今入院してるんですけど、めちゃくちゃ山さんのファンみたいで」と言われ、菊池のお兄ちゃんが入院している病院に行くことになったんです。結構神妙な面立ちだったので、こっちもお兄ちゃん大丈夫かな?って心配してたんですよ。
それで、次の日病院に行って、そっと病室のドアを開けたら、私の倍くらい体の大きい男が屈託のない笑顔で「山さーーーーん! ハッハー!」って嬉しそうにしてて。菊池が「これ、俺の兄貴なんですけど、実は今、デブすぎて入院させてるんですよ(笑)」って。いわゆるドッキリです。菊池のお兄ちゃんって聞いて、シュッとした感じを想像していたので、笑っちゃいましたよね(笑)。
その後も東京遠征の試合後とかに淳や遠藤と一緒に食事に行ったりして仲を深めていきました。そして、登場曲を作ったり、年末のトークイベントに出演してもらったり、静岡の自主トレに参加したりと現在も交流を続けています。
今季の菊池は自己最多、そしてチーム2位の16本塁打を放ちながらも、犠打は2。チームとして開幕前はスモールベースボールをやろうとしていたはずなのに、蓋を開けてみたらそれができていたかというと、そうではありませんでした。それが菊池の成績にも表れていると思います。個人的には、やっぱり二番打者としての菊池が見たいですよね。長打がありつつも、バントをそつなくこなし、右打ちでの進塁打でチャンスメイクしてクリーンナップに繋げることもできる。ケースによって様々な役割をこなせるタイプだと思うので、来季はもう一度、そういった菊池が見られるといいなと思っています。
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