しかし約束の2018年11月になっても工事費は一向に支払われず、催促するとF氏の回答は「12月と言いましたよね?」というものだったという。Aさんはそれを受け入れて翌月まで待ったものの、結局12月にもお金が支払われることはなかった。
「年が明けて2019年の1月頃からは電話にも出なくなり、お店に直接行っても『Fはいない』と言われるだけでにっちもさっちもいかなくなってしまいました。何度も請求書を送っても音沙汰がなく、人づてに『Fが会社を辞めたらしい』という話を聞いてからはもう半ば諦めていました。外注した職人への報酬はうちで立て替えているので大損です」
「謝罪などは一切ありませんでした」
そして「麺匠 八雲本店」が起こしていた工事費トラブルはAさんの会社だけではないという。コンセントの配線や照明・換気扇・エアコンの取り付けを請け負った地元の電装業者とも、45万7900円の工事費について遅延トラブルを起こしていた。2018年の12月31日までに支払うという約束だったが、実際に支払われたのは2019年の7月末だった。
電装会社の代表から工事費について相談を受け、仲介したという男性Bさんが当時の状況を明かす。
「『麺匠 八雲本店』の物件は前のテナントの設備が残っていてほぼ居抜き状態でしたが、電気周りの作業量が多くほぼゼロから配線工事をしたそうです。2018年10月10日に工事がスタートして、計10日間ほど作業をしたと聞きました。
しかし期日の12月になっても工賃が支払われず、店に行っても取りあってもらえない。F氏も最初は支払う意志を見せていましたが、途中からは『裁判を起こしてもらっても構わない』と開き直る始末。『会社を辞めたから関係ない』とも言われましたが、それでも粘り強く話し合いを重ねて、最終的に2019年7月31日にようやく工事費が支払われました。遅れたことについての謝罪などは一切ありませんでした」