1ページ目から読む
3/3ページ目

「麺匠 八雲本店」では複数の業者から催促の電話が続き、取り立ての人も来店するような状況が続いていたことになる。当時働いていた従業員は不審に思っていたというが、当のFについて「悪びれた様子もありませんでしたよ」と振り返る。

「『入金の件どうなっているんですか?』という電話が多い時は3日に1回くらいありましたね。アルバイトスタッフは工事費などについて何も把握していないので『上の者に伝えておきます』と言うことしかできませんでした。

 業者とやり取りしていたFさんに聞いても『うちは親会社にお金を払ったけど、そこが子会社に渡していなくてとばっちりがきている』という答えでした。とはいえ取り立ても徐々にエスカレートして、『どうなっているんだ』と大声を出しながら扉を叩かれたりして怖くなりました。それでもFさんは『次なんかあったら録音して警察呼んで』と悪びれる様子もなく言っていました」

ADVERTISEMENT

「麺匠 八雲」で働くF氏 Ⓒ文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

問い合わせの翌日、何の連絡もなくお金が振り込まれた

 内装業者への未払い、遅延トラブルについてF氏に事実確認を求めると「内装工事をお願いしたのは間違いありませんが、支払いについては記憶にありません。確認します」という回答だった。

 文春オンラインがF氏に問い合わせた翌日、Aさんの内装会社に「麺匠 八雲」から何の連絡もなく突然46万5000円が振り込まれたという。Aさんはこう語る。

アパートに戻る梅澤 Ⓒ文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

「私たちは地元密着で40年以上やってきた企業で、同じ葛飾にオープンするということで何か協力できないかと思っていたのですが、結果的にこういう形になってしまっています。社員3人の小さな会社にとって40万円は大金です。連絡もなく突然だったので驚きましたが、まずは支払っていただくことができてよかったです。正直、今後はあまり関わり合いになりたくはないですけどね」

 「麺匠 八雲」が抱える過去のトラブルが再浮上した形だが、本当の意味で再スタートを切るためには、その1つ1つと誠実に向き合っていく必要があるだろう。