「むき出しの好奇心になど屈しない」。待機児童問題について国会で論戦を繰り広げた山尾志桜里、こんどはメディアと戦う意向である。

 ことの発端は週刊文春の「山尾志桜里 イケメン弁護士と『お泊まり禁断愛』」(9月14日号)で、年下の弁護士とホテルで一夜を共にしたことなどを報じたもの。こうしたスキャンダリズムには屈しないというわけだ。

山尾志桜里議員 ©杉山拓也/文藝春秋

斎藤十一の名言と呼応する「俗物的な雑音」

 今週の文春「山尾志桜里急展開 一泊二日一緒に大阪出張」は、その山尾の近況を伝える。山尾は神奈川新聞で上記の言葉とともに、くだんの倉持弁護士を政策顧問に起用すると表明。すると選挙に勝ったばかりだというのに、地元・東郷町の後援会長が辞任を申し出る。後援会長はこの起用について「早すぎる行動」と批判の含みをもった言葉を文春記者に語っている。

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 また渦中の倉持弁護士は自身のブログで、一連の不倫騒ぎを「外野の『俗物的』な雑音」と断じる。新潮社の天皇・斎藤十一は「どのように聖人ぶっていても、一枚めくれば金、女」といい、徹底した俗物主義を週刊新潮の方針とした。程度の差はあれ、これが週刊誌というものだろう。この斎藤の名言と呼応するかのような倉持弁護士の言葉である。

 人は人に興味を持つ。フライデーや週刊現代の編集長だった加藤晴之は言う。「スキャンダリズムというのは、人間の本質に迫る非常に重要な手法で、そこを否定したら、人間の理解につながっていかないんじゃないか……と、勝手に自己正当化してますけど(笑)」(注)
 
 山崎拓のスキャンダルを思い出せば、その通りだと多くの者が思うだろう。憲法や安全保障などの問題を国民に問いかけ、合意形成していくのが国会議員の役割である。それでも世間は「俗」を好むものだし、結局は人を見る。ときには好奇心でもって。