人目を気にして楽しむチャンスを失ってしまう、そんな人生はまっぴらゴメンだ! ありったけの「好き」を車で表現する、痛車オーナーたちの素顔とは?
今回は、「Yupiteru presentsお台場痛車天国2024」出展者のなかから、「ゆるキャン△」のラシーンを完全再現した「ヒッター」さんをご紹介。
◆◆◆
プロの技術で「アニメ車両」を再現
もともとラシーンという車自体に興味があって、いつか乗りたいなと思っていたんですよね。それでちょうど、「ゆるキャン△」ってアニメが話題で見てみたら、「あれ、ラシーン出てるじゃん!」と。そこで妙にテンションが上がっちゃったんですよね。
自分自身もキャンプはよくやりますし、作品のゆるっとした世界観も好きになり、現実に作品内の車両を再現してみたいと思ったんです。実は私自身が板金塗装をやっているもので、やると決めるまでは早かったですね。
ただやっぱり、色の再現には苦労しましたよ。なにしろ実車がありませんから、絵と見比べながら色味を調整していくんですが、なかなか合わずに何回も作り直して。もちろん、今ではもうレシピが残っていますから、何度でも同じように再現できますね。
それで実際、Twitter(X)でこの車の画像を投稿していたら、「自分もやってほしい」とお客さんから連絡を頂いて、受注につながったこともあるんですよ。今もまた販売用に1台同じものを作っていて、仕上がり次第売りに出す予定なんです。
板金の仕事はもう、高校を卒業してからずっとですね。数年ディーラーの工場に勤めたあと、父が自営でやっていた下請けの板金工場を継いで。でも、ほどなくして中小切りに遭い、一気に経営が難しくなってしまったんですよ。「もうこの店は畳むしかないかな」と思っていたところ、ガレージトップスピードというショップから声をかけてもらって、今はそこで働いています。これまでの経験や技術をそのまま活かせる仕事ですから、本当にありがたかったですね。
もうずっと仕事で車を触っているので、いつもなら「わざわざ自分の車まで弄りたくないよ」と思ってしまうのですが……なぜかこのラシーンは別でしたね。作品の力に押されたのか、かなり気合いを入れて作りました。
もちろん中身は普通のラシーンですから、普段の足にも使えるのがいいですよね。「ゆるキャン△」の聖地がある山梨の身延町に行くと、駐車場で「写真撮っていいですか」と人が集まってきてくれたり。そこから新しいつながりができることもありますし、今までなかった出会いを与えてくれる車ですね。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。