文春オンライン

「脱走のニュースはヒヤッとしました」東京に出勤しながらエミューと暮らす…会社員女性が語る“二重生活”

note

 そこから、エミューちゃんの部屋を片付けて、私の部屋で寝ていた場合は私の部屋も片付けます。その後、エミューちゃんにご飯をあげて、私も朝ごはんを食べます。これでだいたい6時くらいになっています。

 それから、庭が結構広くてメンテナンスが大変なので、出勤時間になるまで庭仕事。その後、1時間くらいかけて出勤です。


 仕事は20時頃に終わることが多いので、家に帰るのは21時くらい。エミューちゃんのお世話をして、お風呂に入って、だいたいそれぐらいで寝ちゃうことが多いです。夕ご飯は早く帰れれば作りますけど、仕事中にちょこちょこつまんで食べないことも多いですね。

ADVERTISEMENT

2つのまるで違う生活で「バランスが取れる気がする」

——ちなみに、会社の同僚たちはエミューちゃんのことを知っているのですか。

砂漠 いえ、誰も知らないです。

——こういった自然豊かな場所での生活と、東京での会社員生活と……2つのまるで違う生活の間のギャップについては、どう感じていますか。

砂漠 かえって、自分の中でバランスが取れる気がします。

 会社の中でしか通用しない、独自の価値観や偏った考えってどの会社でもあると思うんですけど、そういうものに自分を合わせなきゃって思うとつらくなってくるじゃないですか。たとえば、体育会系な会社に勤めていると、体育会系じゃない自分はダメなんじゃないかってついつい思ってしまう。

庭にある、手作りのピザ釜(奥) 
ピザ釜で焼いた自家製ピザ 

 だけど、山での暮らしがあると、たとえ1日数時間体育会系なノリに合わせないといけなくても、それは仕事だから割り切ってやっているだけで、体育会系じゃない私が人間として劣っているわけではないと思える。価値観が相対化されて、すごくいいと思います。

関連記事