昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「脱走のニュースはヒヤッとしました」東京に出勤しながらエミューと暮らす…会社員女性が語る“二重生活”

 2021年10月に、熊本県の観光牧場から23羽が脱走し、一躍脚光を浴びた鳥、「エミュー」。人懐っこく穏やかな性格であることや、体長最大2メートルにも成長すること、時速50キロで走る脚力を持つことなどが報じられた。

 東京から車で1時間ほどの山で、会社員をしながらエミューと暮らす砂漠さん(@eli_elilema)に、エミューがいる暮らしや、会社員生活との両立について聞いた。

◆◆◆

——先日、熊本県でのエミューの脱走が大きく報じられました。エミューの「エミューちゃん」を個人飼育されている砂漠さんですが、ニュースはどのような気持ちで見ていましたか?

砂漠 他人事ではなかったです。エミューちゃんも、以前、知人の農場に行った際に柵の中に入れたら、餌箱を踏み台にして1.6メートルの高さを超えて出てきてしまったことがあるんです。その時は柵が二重になっていたので何事もなかったのですが、それ以来、すごく気をつけています。

エミューちゃん(右)と飼い主の砂漠さん(左)。エミューちゃんは現在生後7カ月で、体長約1.6メートルだという

——今日は砂漠さんのお宅に伺っていますが、こちらに移住したのはいつですか。

砂漠 今年の1月です。もうすぐ1年になります。

——移住は、どういったきっかけで。

砂漠 もともと農園や牧場に憧れがあって、畑仕事ができるような物件を探していたんです。仕事の関係で都内の移動が結構あるので、東京に出やすくて、山の中にあって……という条件で探していたら、この物件を見つけた感じです。

——一軒家を丸ごと借りているのですか。

砂漠 そうです、そうです。1階と2階合わせて、7部屋あります。庭には納屋があって、エミューちゃんが来た頃はそこで飼おうと思っていたんです。なぜか今は室内飼いになっているので、1階の一室をエミューちゃんの部屋にしているんですけど。

 

——エミューちゃんは友人に勧められて飼い始めたと聞きましたが、勧められた時の心境は?

砂漠 最初は友人が雛の間だけ育てて、大人になったら私に譲り渡すという提案だったので、育てるのを手伝ってくれるのかが心配でしたね(笑)。例えば友人の家でエミューがたくさん生まれてしまったらどうするのかとか、餌代を払えなくなったらとか、それこそ脱走したらとか。

——「なぜエミューなのか」とはならなかった?

砂漠 最初はそうなっていた気もするんですけど。いつの間にか飼う流れになっていました。

取材中、障子の破れ目から顔を覗かせる 

——飼い始めるのに、何か特別な手続きは必要なのでしょうか。

砂漠 愛玩目的での飼育が禁止されている特定動物にはあたらないので、個人がペットとして飼うことができるんです。私の場合は友人が牧場から買ってきたエミューの有精卵を譲り受け、孵卵器で育てました。

——卵から!

砂漠 はい。卵が孵るまで、2ヶ月くらいかかるんですよ。その間は孵卵器内の湿度を保つために加湿したりしていました。