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「水は可能な限り『エビアン』を用意」自民党新幹事長・茂木敏充の“取り扱いマニュアル報道”に見る「キレやすい本性」

2021/11/16
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 すると「水」については、

・飲料用水だけでなく、チンパンジーに与えるすべての水が、飲んでも安全で清潔なものにする。

・チンパンジーが昼夜問わず、新鮮で清潔な水を手に入れることができるようにする。

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 茂木幹事長よりチンパンジーの世話のほうが楽だった。嗚呼。

©iStock,com

 このマニュアルは、茂木氏が経済産業大臣を務めていた2014年当時のものだという。この件がいま再び持ち出されるというのは、茂木氏が自民党幹事長になったのを快く思わない空気が永田町や霞が関にあるのだろう。それもかみしめておきたい。茂木氏が仕事ができると言われながら世の中的には地味だった意味も想像したい。新聞はなかなか書いてくれないことである。下世話な週刊誌との併せ読みでいろいろ見えてきた。

 では、週刊誌の生々しい記事で理解できたことの二つ目。

『岸田首相 衆院選応援で違法「集団買収」「何としても勝ち抜かせてほしい」の裏で——領収証、案内状入手』(週刊文春11月18日号)

岸田首相が使った「奥の手」

 岸田首相は衆院選で激戦区の岸田派の女性議員の応援に入った。

《だが、その遊説に選挙区民が参加すると「日当5千円」が支払われ――。》

 こういうからくりがあったのだ。そういえば投票日直前の次の記事が面白かった。

『岸田首相に焦り? 「奥の手」チャーター機で衆院選接戦区を遊説』(毎日新聞10月29日)

 過去にチャーター機を使った人は2人だという。

《09年8月の衆院選で麻生氏が、10年7月に投開票の参院選で民主党の菅直人氏がチャーター機を利用した。この2回の選挙は当時の与党が敗北した。》

 縁起悪いじゃないか。

「週刊文春」11月18日号

 チャーター機を利用してまで全国を回るということはそれだけ情勢が悪いということ。いやな予感しかない。ところが今回の自民党は選挙前の予想より獲得議席が上回った。いろんな分析が出ているが、コロナ禍の選挙で人が集まっていればその候補には熱気があると通りすがりの人は思うだろう。しかし群衆の少なくない人が「日当5千円」で動員されていたら……。

 これ、不思議なのは新聞では今のところ後追いが無いこと。皆がやっているからだろうか? それとも文春報道を受けて各紙まさに今追っているのか。今後に注目です。

 というわけで、これからも新聞と週刊誌の併せ読みを楽しんでいきたいと思います。けっこういろいろ見えてきます。

「水は可能な限り『エビアン』を用意」自民党新幹事長・茂木敏充の“取り扱いマニュアル報道”に見る「キレやすい本性」

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