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「水は可能な限り『エビアン』を用意」自民党新幹事長・茂木敏充の“取り扱いマニュアル報道”に見る「キレやすい本性」

2021/11/16
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《嫌いな食べ物は、煮物全般、酢の物、ゴマ豆腐、キャビア、サーモンサンドイッチ、硬いパン(ベーグル、フランスパン等)、餡かけのもの全般、フカヒレ、冷やし中華、長崎ちゃんぽん、スイカ、メロン(夕張メロンは除く)、和菓子全般、洋菓子全般》

 食べ物以外にもマニュアルはたくさんあった。茂木氏にキレられないために官僚はここまでやっていたのか……。「切れ者で人当たりがきつい」(日経)の具体的な答え合わせを知ることができた。下世話パワーの週刊誌ならでは。

官僚の「無駄遣い」

 このマニュアルを見て、日本ボクシング連盟の山根明会長の「おもてなし」リストを思い出した方も多いだろう。山根会長の機嫌を損ねないように各都道府県の関係者のあいだで利用されたリストだ。「車エビ大好き」「目玉焼き…外はカリカリ、中は半熟」とずらっとあった。「りんご(ムツ)2~3個 高級品」「バナナ1房 高級品」は果物が貴重だったであろう少年時代を想像してちょっと切なかった。

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山根明 ©文藝春秋

 茂木氏にしろ山根氏にしろ、最初からこんなに多くのマニュアルはなかったはずである。とくに茂木氏の場合は怒られないための恐怖とお役所仕事が予想以上にマッチングしてしまったのではないか。どんどん更新して「A4用紙22枚」になってしまったのだ。官僚の無駄遣いである。

水は「エビアン」、お茶は「お~いお茶」

 茂木マニュアルの「飲み物」についての情報はまさに官僚的な文体だった。

・事前情報では、水は「エビアン」、お茶は「お~いお茶」、コーラは「コカ・コーラゼロ」という指定あり。

・水は可能な限り「エビアン」を用意した方が良いが、用意できない場合には、他の銘柄でも問題ない。

 じゃあ何でもいいじゃねえかと思うが、これほど用心するのが官僚なのだろう。

 これらを読んで、ふとチンパンジーと茂木氏、どちらの世話が大変なのだろうかと気になった。そこで「チンパンジー飼育マニュアル」について調べてみた。