昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

照ノ富士の稽古は……

 立ち合い、阿炎の攻めは強烈でした。照ノ富士は上体を起こされ、土俵際に押し込まれ、万事休すかと思った瞬間、片足で残り両腕で抱え込み攻め返します。阿炎が肩透かしを狙うところを押し倒し。優勝は照ノ富士です。

「危なかった」と胸をなでおろしリプレイを観ると、そんなに慌てていません。むしろ余裕すら感じさせます。いやいや、一つ間違えば押し出されていたはずです。その答え合わせをすべく優勝インタビューを終えた照ノ富士と話すと、またもや驚いて言葉が出ませんでした。「阿炎の上体を起こすために自分も上体を起こしたんです」と……。

 千秋楽は貴景勝との一番。貴景勝が突き起こし、何度も攻めますが、稽古場で受け止める稽古をしているような落ち着きぶりに、なすすべがありません。

 結果は全勝優勝でした。しばらくこの状態が続くのかな、と思わせる照ノ富士の相撲でした。

 間近で見ているからわかりますが、照ノ富士の本場所での相撲は、稽古場でよく見る相撲です。右四つの照ノ富士が、立ち合いで上体が起きないように頭から当たっていく。頭を低くして構える。半身になり、残る。左四つに組む。片足で残る――。

優勝インタビューを受ける照ノ富士 ©時事通信社

 ここまで細かく書いたのは、照ノ富士が器用で何でもできるから優勝したのではなく、本場所でやることを想定して稽古をしているから、すべて対応できているのだということです。ここまで手の内をばらして照ノ富士に怒られないかな(汗)。

 大関陣、上位陣の奮起を期待したいのであえて言いました。

「横綱は稽古しているよ!」

断髪式も通常開催へ

 三賞は敢闘賞が阿炎と隆の勝、技能賞が宇良。

 十両では一山本が13勝2敗の好成績で優勝。思いっきりのいい相撲は来場所に幕内で観られそうなので、期待したいです。一つ残念だったのが今場所新十両の平戸海。14日目に怪我をし、休場してしまったのですが、しっかり治してまたいい相撲を見せてほしいです。一昔前のお相撲さんのようなしぶとい相撲で、見ていて応援したくなります。怪我に負けるな、けっぱれ!!!

 今年も残りわずかです。新年はどんな年になるのでしょうか?

 今年もたくさんのお客様に本場所に足を運んでいただきまして、本当に感謝しています。来年も楽しんでもらえるように一生懸命頑張ります。

 私事で恐縮ですが、断髪式の通常開催が決まりました。感染対策には十分気を付け、皆さんに楽しんでいただけるよう準備しています。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。令和4年5月29日(日)です。お待ちしております。

 場所も終わり、最後に何を食べようか考えながら書いていますが、決めました。

 やっぱり「一蘭」です(笑)。

 良いお年を!!!

この記事の写真(3枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー