「警察は関係者や入江容疑者の自宅の捜査、スマートフォンの解析から、3人は“オーバードーズ仲間”として集まったとみている。3人それぞれが愛好者で、SNSで知り合った仲間同士で定期的に『オーバードーズの会』を開いていたようです。取り調べに対しても、両容疑者は『私たち3人はオーバードーズ仲間として会っていた』などと供述しているそうです」(前出の社会部記者)
“病んだ”若者がSNSに“オーバードーズ投稿”
「オーバードーズ」とは、病院で医師が処方した睡眠薬や抗不安薬、ドラッグストアなどで市販されている咳止め薬などを定められた用量以上に、大量に摂取することをいう。市販薬などであっても、乱用することで感覚が麻痺し、多幸感を得て、精神的な苦痛が和らぐような錯覚に陥るのだという。薬物に詳しいライターが解説する。
「以前までは“病んだ”若者がリストカットなどの投稿をSNSに上げることが多かったのですが、最近はオーバードーズについて投稿する人が増えています。オーバードーズもいわゆる自傷行為で、仕事や人間関係など、現実世界でストレスを抱えた人が一瞬の現実逃避のために手を出してしまう。そして、その様子をSNSに投稿することで、共感する人たちと繋がり、心の平穏を得るのです。
オーバードーズについての投稿を繰り返していると、SNSで“同好の士”が集まってきます。そこで自傷行為から抜け出せるように支え合えればまだいいのですが、グループ内では、より多くの薬を飲んだ人が崇められるという、悪循環が起きているのです」
篠原さんの証言「あの時は、薬でラリってて…」
生前、篠原さんの異変を目撃した冒頭のコンビニ店員が振り返る。
「万引きを注意した数日後、彼女は1人で店に来たんです。暗い顔をして『すみませんでした』と謝っていました。しかし、犯行の理由について聞くと『あの時は、薬でラリってて、頭がおかしかったんです』と口にしたのです……。普通の女の子といった感じだったので、そのセリフが印象的で。だから覚えていました」
捜査関係者によると、篠原さんがオーバードーズを繰り返すようになったのは「半年ほど前から」だという。依存の度合いも進み、体調も崩していたようだ。声優を夢見ていた彼女を追い詰め、オーバードーズへと追いやったものは何だったのだろうか。わずか19年で人生の幕を下ろした早すぎる死が悔やまれる。
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