「第二の西原理恵子先生」なんて畏れ多い
──『こだまのグルメ』は『孤独のグルメ』の、『酒と油と川尻こだま』は河島英五さんの『酒と泪と男と女』のオマージュですね。マンガの内容もどなたかの作品に影響を受けている部分はあると思われますか?
川尻 西原(理恵子)先生の『毎日かあさん』や、けらえいこ先生の『あたしンち』は、子どもの頃よく読んでいたので、知らず知らずのうちに影響を受けている部分があるかもしれません。ありがたいことに「第二の西原理恵子先生」と言っていただくこともあるんですけど、自分では畏れ多くてとてもそんなふうに思えません。
しりあがり寿先生と吉田戦車先生の作品世界にも通じるものがあるとよく言っていただくのですが、両先生の作品を読んだことがなく、うっかり読んでしまうと激しく影響されそうなので、「読みたいけれど読めない」というジレンマに、今陥っています。
マンガの私の姿はある意味アバター
──「川尻こだま」というペンネームも何かに由来されているのでしょうか。先生のお姿がカッパなので、カッパが好むといわれる「尻子玉(カッパに抜かれると腑抜けになるとされる、人間の肛門の中にある架空の臓器)」をペンネームに使われたのですか?
川尻 これも特に深い意味があるわけではなく……。しいて言えば、私はお寿司が大好きなので、回転寿司チェーンの「かっぱ寿司」をリスペクトして「カッパ」絡みにした、というくらいでしょうか……。
「ただれた生活」は、私の日常をそのまま描いたマンガですが、私の姿はある意味アバターなんです。熱心なフォロワーさんから「先生、もう夏ですよ! 真夏にパーカーは暑すぎると思います」と親切にコメントをいただくこともあるのですが、「紫のパーカーと頭の上のお皿と背中の甲羅がすべてセットで川尻こだまというアバター」というつもりで描いています。