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「ドラム式とタテ型、洗浄力で勝つのは?」「泥汚れを落とすのは洗剤ではなく…」 プロが教える意外と知らない“洗濯テクニック”――2021年BEST5

茂木貴史さんインタビュー#2

2022/01/24

ニオイが残っているということは…

――悪天候続きで洗濯物が干せない時などは、30分くらい乾燥機にかけたあと、半乾きの状態で室内干ししていました。もしかして、部屋干しした洗濯物が臭うのは、それが原因だったのでしょうか?

茂木 洗濯物が臭うのは、モラクセラ菌などの雑菌のしわざです。水分はモラクセラ菌の栄養になるので、洗濯物でイヤなニオイがする場合は、干し方以前に洗い方に問題があるのかもしれません。ニオイの元となるモラクセラ菌の増殖は、しっかり洗えていれば防ぐことができるので、ニオイが残っているということはきちんと洗えていないということにもなります。洗濯物は洗濯機容量の6割程度を心がけ、適量の洗剤とたっぷりの水で洗い、すすいでください。

 

 あと、意外に多いのは、洗濯機の中に洗濯物を一晩入れっぱなしにしておいて翌朝洗濯するというケースです。通気性の悪い洗濯機の中に脱いだ洗濯物を放り込むのは、ニオイの原因になります。なるべく通気性のいい洗濯カゴに入れておき、脱いでから24時間以内に洗濯をすると、ニオイがつきにくくなります。

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 また、洗濯機の水量と洗剤のバランスが悪く洗い残りがある、乾燥スピードが遅い、などの環境も生乾きのニオイの原因になります。さらに、洗濯槽の汚れからも雑菌が繁殖してニオイの原因になるので、春夏は月に1回、秋冬は3カ月に1回は洗濯槽の洗浄をすることをおすすめしています。

温度・湿度・風のコントロールで室内干し3~4時間で乾かせる

――脱いだ洗濯物はすべて洗濯機に放り込んで一晩放置していました……。洗濯物が臭うのは部屋干しが原因ではなかったのですね。

茂木 「洋服のアンチエイジング」という観点からいうと、「晴れの日が洗濯日和」というのは大間違いなんです。僕らが部屋干しをおすすめしているのは、服を長持ちさせるだけでなく、季節によっては花粉やPM2.5などの有害物質からも衣類を守ることができるからです。梅雨時などに、洗濯物をためておいて、晴天の日に一気に洗濯するという方も多いと思いますが、乾燥の三原則である「温度」と「湿度」と「風」をコントロールすれば、夏も冬も基本的には室内干しでも3~4時間で乾かすことができます。夜10時くらいに洗濯をして11時に乾かしはじめても、翌朝には乾いていますので「着ようと思った服が洗濯されていない」「せっかくの休日が洗濯で終わった」というストレスからも解放されます。