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「30万円で偽装のワクチン証明書を準備できる」

 そんな不安を抱えながらも、「大好きなBTSに会えるかもしれない」という可能性を信じたB子さん。だが、懸念は他にもあった。

「実は私はまだコロナウイルスのワクチン接種をしていなくて、アメリカの入国制限に引っかかるというニュースを目にしました。するとX氏は『30万円払えば偽装のワクチン証明書を準備できる』と言ってきたんです。甘い言葉にのってしまい、入金が完了すると連絡が疎遠になりました。旅行直前になると『偽造がバレると捕まるから、リスクがあってやばい』『俺も社長だから立場的にまずい。だから旅行をキャンセルする』と言ってきました。『お金は全額返す』と言いながらも、その週末、翌週、月末と、そこから何を送っても既読スルーでした。詐欺だと気付いた数日後、SNS上で同じような被害にあった被害者の書き込みを見つけました」

X氏は「30万円払えば偽装のワクチン証明書を準備できる」とも 
別の被害者とX氏のやりとりの一部

 B子さんのケースでは、ワクチン証明書偽装の提案にのろうとした当人にも落ち度はあったと言えるかもしれない。だが、別の多くの被害女性は、冒頭のやりとりのようにコロナ感染を理由に直前で旅行をキャンセルされており、いまだ返金もされていない。X氏がファン心理を利用して金を集めていたのは明らかである。

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過去の金銭トラブルでは「全部バクチでとけた」

「被害者のそれぞれのLINEや通話のやりとりを確認すると、旅行日程やコロナに感染したという時期もズレていました。ネットが炎上した際には流石にマズイと思ったのか、それぞれの被害者に一、二度連絡をいれ『分割で返済させてほしい』と返そうとする意志を示したのですが、その後は再び連絡がとれなくなった。

X氏がある被害者に提示した旅行日程。他の被害者の日程とはズレがあるが…?

 実はこうした金銭トラブルは今回が初めてではありません。過去にもX氏はタレント、インフルエンサーや実業家などを相手に金を吹っかけ、金銭トラブルをおこしてきています。その際『(集めた金は)全部バクチでとけた』と話していただけに、今回も女性たちのお金は残っているのか…心配でなりません」(前出・被害者の会関係者)

 12月23日以降、「文春オンライン」はX氏に繰り返し電話をかけたが、いっこうに連絡はとれなかった。

 X氏のメールアドレスにも質問状を送ったが、期日内に返答は得られなかった。

 A子さん、B子さんをはじめとした「被害者の会」のメンバーは今後、警察に被害届を出す予定だという。

「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式」ツイッターのDMまで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
文春くん公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386