新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークが広がり、在宅勤務での空き時間を利用する副業で新たな収入を得られるとする「副業サイト」がネット上で話題になっている。
なかには「人気副業ランキング」といったサイトまで登場しており、その人気は過熱気味だ。しかし、一部の副業サイトでは約束されていたはずの収入をまったく得られないことも多く、国民生活センターなどの公的機関には多くの相談や苦情が寄せられているのが実態だ。
副業を始めた一部の利用者たちは、「多額の(副業の)サポート費用を支払ったにもかかわらず、まったく収入が得られない」などとして訴訟に踏み切るケースも出ている。原告は増加する一方で、一部では副業サイトの運営会社を相手取って集団訴訟が起こされる事態となっている。
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高額のサポート費用を払っても収益はまったく得られず
「家から出られない今だからこそ、みんなに内緒の秘密の給料日!」
「自由な時間でまずは1日…¥10,000を目指し、月収¥1,000,000は通過点」
「やることは下記の3ステップ! Step1スマホ操作撮影したモノを送信→Step2収益設定 その日の晩に 朝起きて→Step3収益発生」
副業サイト運営会社「woods(ウッズ)」は、「LIBERTY(リバティー)」「FINE(ファイン)」といった名称のサイトで、こうした誘い文句を使ってコロナ禍での副業に関心のある希望者を募集していた。
参加者には「送信した写真や動画に広告がつき、この広告会社からの広告収益が今回の報酬となるのです」などと説明。さらに、「ここからが重要なポイントです!」としたうえで、「送信先のシステムにはAI(人工知能)を採用しています。(中略)送信したデータが自動的かつ優先的に引き上げられるためどんなものでもOKです」と手軽に写真や動画を送信するだけで広告収入を得られると強調していた。
しかし、副業を始めた利用者の一部は、“副業を支援する高額のサポート費用”を支払ったにもかかわらず、収益がまったく得られず「詐欺的だ」と主張。被害を訴える30人がwoodsを相手取り、集団で総額約2700万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴する事態となった。被害を訴える人はまだ多く、さらに追加提訴の動きもある。