岸田政権で初入閣を果たした西銘恒三郎沖縄北方相(67)が、保有している株式を閣僚の資産公開で報告せず、大臣規範に違反していることが「週刊文春」の取材でわかった。西銘氏の事務所は「訂正する」としている。
沖縄4区が地盤の西銘氏は2003年の衆院選で初当選。茂木派の所属で、現在、当選6回を数える。父・西銘順治氏も生前、沖縄県知事や衆院議員を務めていた。
「1月23日の名護市長選では、与党の推薦候補が勝利しました。9月の知事選では、玉城デニー知事の再選を阻止したい自民党が西銘氏の擁立を視野に入れています」(地元記者)
西銘氏は沖縄北方相として初入閣し、昨年12月に公開された閣僚の資産によれば、株式を保有していなかった。だが、実際には、那覇市の鶏卵販売会社「前田鶏卵」の株式を保有。保有株式を報告していない場合、閣僚とその家族が持つ株式などの公開を定めた大臣規範に違反していることになる。
前田鶏卵は1961年創業で、資本金は1200万円。鶏卵の販売や加工食品の製造などで成長を重ねてきた地元の有力企業だ。現在の売上高は10億円を超える。
前田鶏卵の前田睦己社長は、「週刊文春」の取材にこう説明する。
「1996年に50万円分の株を買ってもらった。配当はないですが、保有し続けてもらっています」
西銘氏と前田氏は40年来の仲で、選挙の支援もしていたという。
「1981年頃、沖縄振興開発金融公庫に勤めていた西銘さんと草野球で知り合いました。その後私は、西銘さんが会長の『日曜友の会』という模合(沖縄独自の互助会)で幹事も務めた。沖縄県議選に初出馬した時(1988年)は、『友の会』のメンバーの寄付が合計300万円ほど集まりました」(同前)