11日、12日に行われた第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局。藤井聡太竜王(19)が渡辺明王将(37)に勝利、史上4人目となる五冠を最年少で達成した。
圧倒的な強さを誇る藤井竜王だが、「週刊文春」では、中学生時代の“敗北の日”を報じていた。当時の記事を再公開する。(初出:週刊文春 2018年4月12日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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この一年の藤井聡太六段(15)の活躍は凄まじかった。2日に発表された2017年度将棋大賞において対局数、勝数、勝率、連勝数の記録四部門を独占(史上3人目)。特別賞と新人賞も受賞した。
藤井六段といえば一昨年12月から昨年6月にかけて達成した29連勝だが、実は今年1月からも再び勝ち続け、16連勝まで伸ばしていた。
ところが3月28日、中学生最後の対局に臨んだ藤井六段は久々の敗北を喫した。“連勝ストッパー”は井上慶太九段(54)。かつて順位戦A級に3期在籍した強豪だが、昇竜の勢いの天才少年を止めるのは難しいと思われていた。井上九段が振り返る。
「いやもうグッタリ疲れました。集中していたんでしょうね。本当はいつもそのくらい集中して指さないとアカンのですけど(笑)」
親子ほどに歳の違う藤井六段との対局に際しては、「恥ずかしくない将棋を指せれば」との心境だったという。