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「私は五輪関係者なのに」とクレーム、救急車をタクシー代わりに週1で…本当にいる「ヤバい患者」たち

2022/02/21

救急車をタクシー代わりに使うおじいさん

「たとえば、ER(救急)には救急車をタクシー代わりに使うおじいさんの患者がいます。それも、週1回レベルで。

 毎回怒って注意しているんですが、暖簾に腕押しで、懲りずに救急車に乗ってくる。『また、あのじいさんか』ってスタッフはみんなあきれています。断ればいいと思うかもしれませんが、体調が悪いと言う以上、もしものことがあるから救急隊員もERの医師も対応せざるを得ないんですよ。完全に札付きのモンスター患者です」(立花さん、以下同)

 そうしたモンスター患者のなかでも、とくに立花さんを悩ませているのが病棟に入院している高齢男性の患者だという。

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「困った入院患者と聞くと看護師へのセクハラを想像するかもしれませんが、私が勤務しているのは消化器疾患の病棟なので、じつはそこまでセクハラは多くない。みなさん食道や胃、肝臓、膵臓、小腸などの重い病気で入院している患者さんなので、セクハラするような元気はないのだと思います」

 そのかわりに多いのが高齢男性の患者による看護師へのパワハラだという。高齢化社会の到来とともに「キレやすい老人」が大きな問題になっているが、それは医療現場も例外ではない。

「少し前に入院していた患者さんで、看護師に毎日怒鳴り、説教をする70代の高齢男性がいました。その人はトイレもひとりではできないので、私たちが男性用トイレに連れて行き、大きいほうをするときも体を支えて用を足すのを手伝うのですが、その最中にわけわからないことで怒り始めて説教するんですよ。

 たとえば、その人は喫煙者なので東京都に受動喫煙防止条例をつくった小池百合子東京都知事が大嫌いなんですね。それで私に『禁煙条例は人権侵害だ。お前らが小池に投票するからあんな条例ができたんだ。お前ら無知なバカ女のせいだ。看護婦は無学だから、人権なんて言葉は知らんだろうがな』と説教するんです」

 立花さんによると、この患者は見舞いにくる親族もいない孤独な人だという。話し相手が誰もいないうえ、病気のために身の回りのことを自分でやることさえままならない。そうしたうっぷんを晴らすためにモンスター患者化してしまったようなのだ。

「私たち医療従事者も同じ人間だということを知ってほしい」

「それに加えて、いまは誰でもスマホで医療に関する情報をすぐに調べることができます。そのウソか本当かわからない情報を鵜呑みにして、結果的にモンスター患者化する人もよくいます。

 でも、理由はどうであれ、うっぷん晴らしの対象にされる側としてはたまったものではありません。私たち医療従事者も同じ人間だということを知ってほしいですね」

 ただでさえ医療現場がひっ迫しているコロナ禍のいま、医療機関を利用する人は立花さんの言葉を肝に銘じるべきだろう。

「私は五輪関係者なのに」とクレーム、救急車をタクシー代わりに週1で…本当にいる「ヤバい患者」たち

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