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対局直後にかかってきた「1本の電話」

「この対局直後、主人から『勝ったから』と電話がかかってきたんです。こんなことは初めてだったので、よほど嬉しかったのでしょう。私も嬉しかったですが、これでまた将棋のことを考える日々が続いて主人はしんどくないかなと思うと複雑な気持ちになります。でも、本人がそれを望む以上、私も全力で応援したい」

 桐山九段には大きな目標がある。それは通算千勝の達成だ。将棋界で九人しか到達していない大記録まであと五勝。夢を現実とするため、今も日々、自宅のリビングでパソコンソフトを用いて研究を重ねている。

「若手の台頭が目覚ましい将棋界で現役を続けるのは本当に大変なこと。そんな中で努力を続ける主人を私は誇りに思っています」

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(取材 音部美穂)