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2022/03/18

【ケース1】突然のクジ引きで……/Pさんの場合

 地方都市に住むPさんがPTA退会を決意したのは、4年前でした。委員会の集まりの際、急に来年度の本部役員決めのクジ引きがスタートし、Pさんはワケがわからないまま、クジを引き当ててしまいました。パニック状態で「引き受けられない」と訴えると、「候補になっただけ。まだ本決まりではない」と告げられ、ほっとしたのですが……。

 しばらくすると、子どもが学校から「新役員の皆様へ」というお手紙をもらって帰ってきました。そこには候補としてではなく、本部役員のひとりとしてPさんの名前が。大慌てで手紙に書かれた連絡先に「引き受けられない」とメールを送りましたが、返ってきたのは「そうはいかない」という拒絶の言葉でした。

 一体、どうしたらいいのか。

 Pさん夫婦はふたりともフルタイム勤務で、夫は出張が多いため、家事育児はほぼPさんのワンオペです。翌年には持病の手術を控えており、なるべく有休もとらないようにしていました。ここでPTAのために休みを取って、解雇されてはたまりません。

 選択肢はほかに見当たりませんでした。Pさんは、PTAをやめることを決意しました。

【ケース2】想像とかけ離れた実態に衝撃/Dさんの場合

 東京都に住むDさんがPTAを退会したのは、いまから8年前です。保育園の保護者会活動がとても楽しかったので、PTA活動も楽しみにしていたDさんでしたが、彼女が入ったPTAの実態は、想像とかけ離れたものでした。

 ベルマーク係になったところ、とりまとめ役の保護者は横暴そのもの。活動を欠席したシングルファザーの悪口を言い、妊娠中の保護者には「出産翌月からの参加」を強要……。そうした様子を見たDさんは、「家でやってもよいのでは?」と提案してみましたが、まったく聞き入れてもらえなかったといいます。

 地区ごとに輪番制で「登校班の世話人」を出すというルールもありましたが、Dさんの仕事は朝が早く、育休が明けてしまえば世話人はできません。そこで「(自分が育休中のうちに)今年度の人と交代させてもらえませんか?」と相談したのですが、これも取り合ってもらえませんでした。

 DさんはこのPTAのあり方に疑問を感じ、ネットで情報を集めた末、PTA非会員になることを決めました。「この先、PTAに疑問を抱いた人が『やめても大丈夫』と思えるよう、環境をととのえておきたかった」とDさんは話します。

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