〈やっちまった〉
女子フィギュアで浅田真央さん以来の五輪メダリストとなった坂本花織(21)。地元の恩人からの祝福メッセージに一言、北京からお茶目な返信を送っていた。
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朝ドラ「てるてる家族」の主人公の姉に憧れ、スケートの道へ
2度目の五輪となった坂本は、ワリエワのドーピング問題が物議を醸す中、動じることなく自己ベストを更新。銅メダルを獲得した。
快挙に沸く地元の神戸市で取材に応じてくれたのは、自転車店「BIG MOUNTAIN」を営む村山千春さん(45)。坂本が小学生の頃から家族ぐるみで交流を続けてきた。
「〈おめでとう〉とLINEを送ったら、一言だけ返信が来て。ああいう状況の中で完璧な演技で……。自分でもびっくりしたのかな、花織ちゃんらしいなと(笑)。いつも笑顔で、テレビで見るあのまんまの子です」
2000年4月、神戸市で生まれた坂本は三人姉妹の末っ子。一回り以上年の離れた姉二人の愛情に包まれ、のびのびと育ったという。NHKの朝ドラ「てるてる家族」でフィギュア選手だった主人公の姉に憧れ、4歳の頃、近所のリンクでスケートを始めた。そこで現在もコーチを務める中野園子氏に出会う。
朝4時にリンクに向かい、帰宅は深夜11時頃になることも
「小学校から高校まで地元で、大学も神戸学院大に進学。『中野先生と離れたくないから、神戸を離れることは考えてない』と話していた」(スポーツ紙記者)
五輪前にはピンチにも陥った。20年3月、コロナ禍でリンクが閉鎖になり、スケートの練習ができなくなってしまったのだ。坂本は所属契約を結ぶ医療機器メーカーの「シスメックス」に相談。陸上部の練習に参加させてもらった。
「練習場所がなくて困っている、と。辛さがよくわかったので、週に3回、2カ月ほど一緒に練習しました。走り込みや、インターバル走、それに体幹トレーニングなどです。最初は息が上がってしんどそうにしていましたが、体力がメキメキついていくのがわかりました。運動能力が高く、初めての動きでもすぐにできてしまう。『今できることをやる』と割り切っていたみたいですが、時々、『あー、スケートが滑りたいー!』と叫んでいましたね(笑)」(女子陸上部コーチの高尾博教さん)
リンクでの練習は通常営業の前と後に個人で行うのが常で、朝4時にリンクに向かい、帰宅は深夜11時頃になることもあった。