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――どちらか一方が寄りかかっているんじゃなくて、持ちつ持たれつな関係なのがいいですよね。助手席にいる方がやけにかわいいクッションをずっと持たされている回もツボでした。この絶妙な距離感も読んでいて気持ちいいポイントですよね。

©新藤たそ/文藝春秋

新藤 ときどき、「いーなー、こんな友達が欲しいです」みたいな感想をいただくんですけど、中には友達との間に実際にあったことを描いている時もあって。その投稿にこういう感想がつくと、その友達がめっちゃ喜ぶので、それを嬉しく思ったり。

わんちゃんは実家の犬をモデルに

――なんて幸せなエピソード。先ほど、ご自身は小林似という話がありましたが、動かしやすいキャラクターはやはり小林ですか?

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新藤 はい、小林ですね。あと、幼稚園からの幼馴染でずっと仲いい子がおって、その子をがっつりモデルにしたけいつんも動かしやすいです。今日もさっきまで遊んでて、明日も遊ぶんですけど、こういう時はこう突っ込むやろっていうのが明確にあるので。

――だから、わちゃわちゃした会話に血が通っているんですね。小林が飼っているわんちゃんが丸くなりすぎるところなんかも好きなんですが、やはり飼っている犬がモデルだったりするんですか?

新藤 わんちゃんは実家の犬そのまんまです。動物を描くのが好きなので、わんちゃんや猫が出てくる回はどれも好きですね。

――ちなみに、わんちゃんに名前が付いていないのは何か理由があるんですか?

新藤 名前にこだわりがなくて、人間のキャラクターにもほとんど名前を付けていないんです。

――名前を付けないことによって、広がりが出るというか、読者が自分の話として引き寄せて読みやすくなりますよね。そういう狙いがあるのかな?と思ったりしていました。

新藤 実は何も考えていなかった(笑)。

ゆるリーマン

新藤たそ

文藝春秋

2022年1月26日 発売