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「どんなに好きな相手でも、5年くらいで恋愛的な刺激がなくなる」 “惰性で会社に行っていた”漫画家が“ダメ恋愛”から抜け出せない人に伝えたいこと

山本白湯さんインタビュー#2

2022/03/27

source : ライフスタイル出版

genre : エンタメ, 読書, ライフスタイル

 素顔の自分で、愛されたい――。ハライチ・岩井勇気さんも推薦する、オムニバス形式でリアルな恋愛模様を描いた『恋愛マトリョシカガール』。ダメ恋に傷付いても、何度でも立ち上がる女子たちの恋愛を生々しく描き出し、多くの共感を呼んでいます。作者の山本白湯さんに、報われない関係や“破滅エンド”を描く理由、“自由競争の面がある”と語るご自身の恋愛経験についてお聞きしました。(全2回の2回目/前編を読む)

「やさぐれ女 美央編」より

自分にシンクロする『恋マト』の登場人物

――『恋愛マトリョシカガール』(以下、『恋マト』)は、Twitterでも「自分みたい」「自分の友達のよう」と高い共感を呼んでいます。なぜここまで自分にシンクロする人が多いのだと思われますか?

山本白湯(以下、山本) 『恋マト』に出てくるエピソードが、ほぼ実際の体験をベースに描かれているからだと思います。おもに私と担当さん、それから友人から聞いた話などを中心に描いています。

 どのエピソードが誰の話、というようにそれぞれ具体的なモデルがいるわけではなく、いろいろな体験談を組み合わせてストーリー化しているイメージです。

――実話をベースに描くと主観的になりすぎてしまいませんか?

山本 都合のいい展開にならないように、かなり意識してストーリーを考えています。

 具体的には、キャラクターひとりひとりに対し、家族構成や、どうしてその会社に入ったのか、どういう仕事をしているのかなど、すごく細かい部分まで考えて作り上げています。だいたいひとつのエピソードについて、キャラクターの背景をノート1冊分くらい書き込んでから、それぞれのキャラクターを動かすよう心がけています。

「やさぐれ女 美央編」美央の親友のさくら

 たとえば、1巻の「やさぐれ女 美央編」で登場する、美央の親友のさくらという子は、美央の高校の同級生で腐れ縁です。成人式でたまたま会って、そこから交流が再開した、という設定です。美央は最初、コンビニのアルバイト店員にしようと考えていたのですが、性格や生い立ちを考えていくなかで、現在の職業に落ち着きました。

 あまりに設定が細かすぎて忘れてしまった部分も多いのですが、さくらがなぜ現在の趣味サークルに入っているかについても、設定ノートを読み返せば確認できるようにしています。あとからぶれないよう、細かく全部のキャラクターに生命を吹き込んでいます。

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