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「絶対に今年は優勝をする。最後にみんなで喜ぶ」

 昨年シーズン中、何度もチームの事を想い、キャプテンの中村奨吾内野手も含めて話し合った。マーティンから「自分は言葉で伝えられない。だからここは益田から言ってくれた方がいい」と背中を押され、仲間を励ましたり、意見、アドバイスを伝えたこともあった。すべては一緒に優勝をするために。その想いは2021年、残念ながら最後の最後、141試合目で敗れ叶わなかった。優勝マジックを点灯させることは出来たが消し去ることは出来なかった。クライマックスシリーズもイーグルスとのファーストステージは勝ち抜いたもののファイナルステージで悔しい形で終わってしまった。今年こそ。仲間たちと一緒に喜びを分かち合いたい。益田の想いは強い。

 オフから精力的に動いてきた。1月の石垣島での自主トレは体幹、ランニングがメイン。その後もしっかりとスケジュールを組み、身体を作りあげてきた。「今年はかなり段階を踏んできた。いい状態。去年の事は頭にある。ピッチングの事は、いいピッチングをして振り払うしかない。ピッチングはピッチングで。自分で乗り越えるしかない。だからこそしっかりと準備をしてきた。しっかりと調整してきた」と意気込む。

 3月25日。プロ野球が開幕する。益田にとっては11年目のシーズン。通算600試合まであと7試合。現在、157セーブで通算200セーブまで、43だ。テーマは大きく分けて2つ。「負けない」。そして「最後、勝って終わること」だ。

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「最後を投げさせてもらっている投手としてこの2つが大前提。そして絶対に今年は優勝をする。最後にみんなで喜ぶ」と益田。

 ストッパーはどこよりも重圧のかかるポジションである。だからこそ優勝の瞬間、胴上げ投手の栄誉にあずかることが多い。益田も夢見るのはそのマウンドだ。一年は長い。肉体的にも精神的にも苦しい時は必ず訪れる。それを乗り越えた先に最高の瞬間があると信じるからこそ歯を食いしばり逃げずに向かっていく。優勝をして、ファンと喜びを分かち合い、仲間たちと喜ぶ。チームの事を一緒に考え続けたマーティンや中村奨と抱き合う。悔しい終わり方をした2021年から続く物語は杜の都・仙台から再び始まる。

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