昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

なぜ西のスワローズファンに勝利のインタビューは届かないのか? いちファンが抱いた“違和感”

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/04/05

 3月27日、京セラドーム大阪での阪神×ヤクルト3回戦。

 試合開始は14時でしたが、久しぶりに練習から見たいと思ったので、12時過ぎに球場に到着しました。

 僕は落語会や寄席などは基本的にいつも出番ギリギリに入るタイプでして、早めに入って準備して、というよりはパッと入ってパッと着替えてガーッとやってパッと帰る、みたいなタイプなので、球場での野球観戦もだいたい試合開始ギリギリ、もしくは2、3回あたりから観る事が多い。

 しかし、7点差を逆転したあの開幕戦。

 去年の日本一のメンバーにはいなかった選手達の活躍をテレビで観て、居ても立っても居られなくなってしまったのです。

 お目当ては、プロ3年目・20歳、長岡秀樹、プロ4年目・21歳、濱田太貴の2人。

 【もっと一軍の試合に出たい】という彼らの熱い気持ちがテレビ画面からヒシヒシと感じられました。

 ただ、まだまだスタメンを確約された選手達ではないので、試合から観に行ったところで出場するかどうか分からない。

「これは練習から観るしかない!」

 その彼らを一目見ようと、僕は生まれて初めて試合前練習から観に行きました。

藤浪晋太郎から適時二塁打を放った長岡秀樹

初めて試合前練習を見て気づいたこと

 結論から言います。

 球場に行く時はできるだけ、いや、絶対に練習から観た方がいい!

 中間テストや期末テスト前の授業で先生が「ここ、テストに出ますよー」と匂わすあの感じ。

 そういうのが凄く見えるんです。

 つまり、今首脳陣は誰に期待しているのか、みたいなものが練習を見てたらもの凄く分かる。

 練習を見るまで、この日の相手先発はルーキー左腕の桐敷拓馬ですし、この試合のショートは長岡秀樹ではなく、西浦直亨じゃないかと思ってたんです。

長岡、濱田を見て「そりゃ試合で使いたくなるよね」

 でも、練習を見ていて、絶対にスタメンは長岡だと確信しました。

 シートノックを受けている姿。

 走塁練習に励んでいる姿。

 そして、打撃練習では鋭い当たりを連発。

 何より、佇まいがいい。

 その一挙手一投足を監督含め、首脳陣が見つめていました。

「今は長岡推しなんだな」

 と分かるぐらい、期待されているのが見えました。

 そして、濱田太貴――。

 彼の豪快なフルスイングは、それだけでお金が取れるくらい素晴らしい。

 そのスイングスピードは素人目で見てもちょっと他の選手とは違います。

 わりと試合ではレフト方向への打球が目立つようにも見えるんですが、練習ではライト方向にも引っ張ったような当たりが飛んでいました。

 彼がバッティングゲージに入ってからの数分間。

「そりゃ試合で使いたくなるよね」

 と思わず呟いてしまうぐらい、魅力的でした。

 現在、外野は青木宣親、塩見泰隆、サンタナの3人が充実しているのでなかなかレギュラー奪取は厳しいでしょうが、ベテランとなった青木宣親選手にシーズンを通して働いてもらうためにも、休養日には彼がスタメンで出る機会は増えるでしょうし、その期待をされているのは一目瞭然。

 スワローズファンにはそのポテンシャルはすでに知られていますが、今年こそ花開いてほしい。

 セ・リーグ連覇、そして球団初の2年連続の日本一に向けて必要なのは、彼らのような若い選手の新しい力なんです。

すべてが見える球場の楽しさ

 他にも、 

・練習着には背番号がないため、左バッターの構えがみな“青木化”していることにより選手の区別がつきにくい
・ドーム特有の見にくい内野フライの練習を重点的にする村上宗隆
・マイペース調整をしている青木宣親の行くところに、常についていくオスナとサンタナ
・この日先発の高梨裕稔はカーブの曲がりに課題があったのか、練習、試合のキャッチボールを通してずっとカーブを投げていた
・試合中のベンチの声は今年もすごく出ている

 などなど、球場に行くと全てが見えてきます。

 今年もスワローズは絶対にクリーンな野球をしてくれます。