3月31日、榊英雄監督(51)の映画「ハザードランプ」の公開中止が公式サイトで発表された。「週刊文春」3月10日発売号では、榊氏から性行為を強要されたことを4人の女優が告発。報道を受け、性被害を題材にした榊氏の映画「蜜月」は公開中止となっていた。

 一方、「ハザードランプ」は予定通り4月15日の公開を予定していたが、昨日「作品に携わった方々へのヒアリングおよび協議を継続して行ってまいりましたが、総意形成に至らなかった」とコメント発表し、一転して中止を決定した。

 被害者が声を上げるに至った背景には何があったのか。女優たちが告発した性被害、小誌取材への榊氏の回答を報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:「週刊文春」 2022年3月24日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)

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「性被害」を題材にした映画「蜜月」を監督した榊英雄氏(51)。「週刊文春」は3月10日発売号で、榊氏から「性行為を強要された」と語る4人の女優の告発を報じた。同記事の電子版が発売された9日、映画「蜜月」は公開中止が発表された。だがその後、榊氏は「記事の内容につきましては、事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれております」とのコメントを公表。「週刊文春」の先週号の取材に対しても、4人のうち1人については「肉体関係があったことはない」と否定し、他の3人については関係を認めたものの、合意の上だった旨を主張している。

榊英雄氏(榊氏の会社のHPより)

 だが、今回、新たに3人の女優と、当時ある女優と交際していた男性の計4人から告発が寄せられた。

 そのうちの一人が女優のE子さんだ。出会いのきっかけは、友人に榊氏を紹介されたことだった。

「その友人は榊と家族ぐるみで付き合いをしていたので、安心してしまった」

 やがて、榊氏の撮影などの手伝いをするようになった。そして2016年8月、E子さんは榊氏から「短編映画の主演に起用したい。フィッティングをしよう」と誘われ、2人だけで会うことになった。居酒屋で2時間ほど過ごし、店を出ると「次、行こうか」と誘われた。向かった先はラブホテル『S』だった。E子さんが続ける。

「所属事務所には榊の紹介で入っていたので、ここで断ったらクビになるかも、色々な人に私の悪口を言われて仕事がなくなるかも、などと頭を過りました」

 結局2人でホテルに入った。体型確認のため下着姿になれ、と言われ従ったE子さんは、榊氏と距離を取り、「ここまでしかできません!」と何度も伝えた。