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核の傘は「幻想です」
「日本において『核』は非常にセンシティブな問題だということは承知しています。
しかし、そもそも『核とは何か』を改めて冷静に考える必要があります。
核の保有は、私の母国フランスもそうであるように、攻撃的なナショナリズムの表明でも、パワーゲームのなかでの力の誇示でもありません。むしろパワーゲームの埒外にみずからを置くことを可能にするものです。『同盟』から抜け出し、真の『自律』を得るための手段なのです」
ウクライナ侵攻を機に日本では、「核シェアリング」が議論されている。トッド氏はどう見ているか。
「『核共有』という概念は完全にナンセンスです。『核の傘』も幻想です。使用すれば自国も核攻撃を受けるリスクのある核兵器は、原理的に他国のためには使えないからです。中国や北朝鮮に米国本土を核攻撃できる能力があれば、米国が自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ません。自国で核を保有するのか、しないのか。それ以外に選択肢はないのです」
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トッド氏のロシア侵攻後、世界初のインタビュー「日本核武装のすすめ」は、4月8日(金)発売の「文藝春秋」2022年5月号、および「文藝春秋 電子版」に掲載されている。
この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
日本核武装のすすめ
出典元
【文藝春秋 目次】<徹底分析>プーチンの軍事戦略 小泉 悠/日本核武装のすすめ エマニュエル・トッド/父・慎太郎と母・典子 石原延啓
2022年5月号
2022年4月8日 発売
特別価格1000円(税込)