文春野球の読者のみなさん、こんにち歯。そして歯じめまして! ものまね芸人の原口あきまさです。

 今年のホークスは見事なダッシュを決めましたね。開幕8連勝! 一方でチームは春先から怪我人が続出し苦しい布陣となっていますが(特に栗原陵矢選手が本当に気の毒……)、我らの藤本博史監督はどんな時も冷静だし、選手起用や交代のタイミングもばっちりですごく面白い。選手を隅々まで理解しているんだろうなと思います。もはや最高のメンタリストですよね。

 僕はホークスが好きすぎて、最近はありがたいことにホークスや野球に関連する番組などに呼んでもらえる機会も多くなりました。

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 その中で時々お話しさせていただくのですが、じつは僕ホークスの「応援団」に所属していたことがあるんです。文春野球デビューの今回は、その話を綴っていこうと思います。

©原口あきまさ

ホークスの応援団をしていた2年間の思い出

 僕は福岡県の北九州市の出身。野球はオヤジの影響で好きでした。福岡市にあった平和台球場、そして北九州市民球場にも何度か連れて行ってもらいました。そんな中、1989年だから、僕が中2の時にホークスが福岡にやって来ました。それまでは西鉄ライオンズの影響で西武を応援してたオヤジが「ホークスだ! 俺らはホークスを応援せんと、ここには住めんぞ」と言いだした。我が家ではオヤジが絶対。だから僕も西武ファンでしたが、そこからホークス愛が急激に目覚めていきました。

 ただ、中学の頃は剣道に打ち込んでいて、正直あまり野球は観ていませんでした。高校にも剣道のスポーツ推薦で入学しました。

 だけど、高校1年生で剣道部をやめることになり、ずっと部活尽くめだった僕に突然ぽっかりと時間が出来た。そこからはもう野球三昧となりました。

 僕は元々こんな性格ですからクラスでは目立つ方。元気者でやんちゃな友達も多く、特に仲のいい3人組で北九州市民球場へ行くのがお決まりでした。バイトで稼いだ小遣いくらいしかないけど、外野なら安くて行ける。でも、せっかく外野で観るのでメガホン買って、タオルも買って、応援っていうよりワーワー言うてましたね。元々賑やかが好きだから、そのうち応援団のそばに行きたくなる。そこに移動してからも騒いでたら「お兄ちゃんたち声出てるね。元気あるな~」って声を掛けられたんです。僕もお調子もんやから、たしかね「旗、重いんすか? 持たせてくださいよ」ってその場で言っちゃったんです。そしたら「じゃ、振ってみるか」という流れになって。イニング間に少しだけ振らせてもらいました。「重たっ!」ってキャッキャ言って楽しんだんです。

 しかし、その日は負けました。あの頃のダイエーは弱かったから、まあ仕方ない。でも、悔しい悔しいって言いながらトボトボ帰るんですよ。で、僕、応援団のおっちゃんにこう訊ねたんです。

「もっと応援したら、ホークス強くなりますかね」

 そしたら「兄ちゃん、もし次の北九州も来るんやったら席取ったるから、おいで」と。正直、社交辞令と思ってたし、半信半疑でした。しかも次の北九州開催は確か翌年だったんです。ずいぶん時間も経っていたし、そんなに期待をせずにいつもの友達とまた外野席に行ったら、「こっち、こっち」って手招きするおっちゃんと再会したのです。

 しかも、僕らのために応援団名の入った法被まで用意してくれて。僕は「マジっすか」と大喜びしてたけど、一緒にいた友達はドン引いてました(笑)。早速それを着て試合開始。普通に応援もしたけど途中で旗を振らせてもらいました。試合の途中途中で指示が来るから気を抜けんのです。よく見たら、僕の応援団って特に少人数で、旗振りながら同時にトランペットを吹かないかんほど人手が足らなかったんです。多分猫の手も借りたいところに、良い感じに餌に食らいつく猫が3匹おったというわけですよ(笑)。