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“本気の西川遥輝”が楽天イーグルスと後輩・黒川史陽に与える好影響

文春野球コラム ペナントレース2022

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 楽天イーグルスが強い。めちゃくちゃ強い。ここまで15勝6敗(4月28日現在)の単独首位。今年はどないや? 2年目のジンクスは? なんて考えていた田中将大、早川隆久も早々に勝ち星をあげ、涌井秀章、岸孝之を含む4人が2勝、先日瀧中瞭太にも勝ちがつき、先発投手陣がしっかり勝ち星をおさめている。攻撃陣では絶好調浅村栄斗の打率と打球が上がり始め、島内宏明の勝負強さ、マルモレホスも楽天外国人選手にありがちなシーズン序盤のもたつきを吹き飛ばす活躍だ。

 29日にはエース則本昂大の完全復活が予想され、冗談抜きで負ける気がしない。しかしながら楽天のスタートダッシュは毎春の恒例行事でしょ?くらいに考えている黒帯ファンの皆さんがたくさんいる事もよく知っている。ただいつもとは違う春の雰囲気を感じているのは僕だけだろうか。

 今シーズン、あの男の存在がチームを変えようとしている。

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「今楽天で本気の西川遥輝が見られてるような気がする」

西川遥輝

 昨年末、北海道日本ハムファイターズからノンテンダーで自由契約となっていた西川遥輝を獲得した。開幕から不動のリードオフマンとして打率3割2分9厘、4本塁打、16打点、23得点、7盗塁(4月28日現在)と入団に際し弱肩を気にしていたファンも恐れ入りましたである。特にチーム盗塁数が4年連続パ・リーグ最下位のイーグルスにとって西川遥輝の「脚」に期待していた。現在22試合を終えた時点ですでに昨シーズン茂木栄五郎、辰己涼介が記録したチーム最多の6盗塁を上回っている。

 いや、去年6て! おいっ!

 過去に4度の盗塁王に輝いた彼から学ぶ事が多いのだろう、ここまで山崎剛も7盗塁で現在チーム盗塁数がリーグ2位と明らかに変わり始めている。思えば2016年シーズン、ファイターズには大きく負け越した。

 あの時は「西川、中島」の1、2番にやられたイメージが強い。

 今シーズン「西川、小深田」「西川、山崎」が他球団にとってのあの嫌な存在になると信じている。

「ポスティングシステム不成立でメジャー断念、そして翌年のノンテンダーで悔しい思いをしたのが、最大の理由かなぁと思います」

 そう表現するのは智弁和歌山OBで野球部部長も務めた古宮克人氏である。

「もう一度、自分の価値を、野球への取り組み方、向き合い方を謙虚に見つめ直した結果、今楽天で本気の西川遥輝が見られてるような気がするんですよねぇ」

 今シーズン“本気の西川遥輝”を見ることができるんだ。

 “本気の西川遥輝”

 グッズ販売も検討レベルのキラーワードじゃないか。

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