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「今月は出費が少ないなというとき、発作的に伊勢丹へ駆け込む」

かん お金を使うことでバランスをとっているというのは、すごくわかります。私、今月は出費が少ないなというときに、発作的に伊勢丹とかに駆け込むんですよ。それで10万円くらい使っちゃう。

もぐもぐ もはやアブない人だよ(笑)。

かん ほんとそう(笑)。でも、勢いで高い洋服を買うとなんだかスッキリするの。服が欲しいからというよりも、達成感がほしいんだと思う。

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辛酸 私も高い服を買って、家でタグを切っているときは高揚します。

 

かん そうなんです! それで「〇万円使ったぞ~!」ってみんなにLINEします。

ひらりさ 突然、くるよね(笑)。

ユッケ 私はやっぱり、コンサートに行くのがいちばん幸せかな。開演の合図に暗転したとたん、若い女子がみんな、歓声をあげて一斉に立ち上がるんですよ。その瞬間、心も体もジェットコースターが落ちるみたいにふわっとなる。コンサート自体ももちろん楽しいんですけど、その場にいるというだけで精神が安定します。人間として正しくテンションが上がっている感じがするというか。

もぐもぐ そこにいる全員が、コンサートをつくりあげるひとつのパーツになっている感覚がいいよね。

ユッケ そう。タレントの全力パフォーマンスに、オタクも全力の声援で返すから、生のエネルギーが端から端まで充満している。

かん 私は、推しがステージの後方で笑っているのを見つけたとき、泣く。

辛酸 なにげなく、人知れずの表情に。

かん そうです、そうです。みんなに気づかれなくても笑ってる。あの人、いま楽しいんだ。よかった、って。

ユッケ 好きな人の笑顔って、いいよね。

辛酸 ほとんど慈愛に近い感情ですね。

「お金は使ってこそ生きるもの。使われないとフラストレーションが溜まるでしょう」

ひらりさ それぞれ、気持ちが満たされるのが大事ですよね。生きてる実感が湧く。

もぐもぐ ひらりさが言ったみたいに、使うためには稼がなきゃというモチベーションにもなるし。

ユッケ コンサート前は服も買うし、美容院も行くし。

「買っても買っても服が足りない」(『おしゃ修行より』)

辛酸 欲望は欲望を呼びますから。1ヶ月服を買わないでいたら、店に入っても心が動かなくなったことがありましたが、それが日本のGDPを下げているのかもと反省しました。お金は使ってこそ生きるもの。使われないとフラストレーションが溜まるでしょうし、日本経済をまわすためには、やはり浪費しなくては。

かん 幸せのためにお金を使って、経済をまわす。それが浪費女の生きる道ですね!

写真=釜谷洋史/文藝春秋