――全て一人で抱え込んでしまったんですね。
HISAKO そうですね。今思えば、もっと人に頼ればよかったのにって思うんですけど、当時はこんな最低な母親が助産師なんてやるもんじゃないとか、私は誰も幸せにできないとか、いろいろ考えてしまって。でもそんなどん底の私に手を差し伸べてくれた人がいたことで、少しずつですけど心が軽くなって、立ち直ることができました。
――その方が現在の夫であるMARKさんですか。
HISAKO はい。辛い時に支えてもらって、いろんなことを共有していくうちに人として好きになりました。MARKと一緒に人生を歩んでいきたいと思うようになったんですが、子どもたちはそれを受け入れてくれないだろうなって。仕事で関わっていたので、子どもたちとも仲良くしていたんですけど、家族になるっていうのはハードルが高かったです。
子どもたちもようやく落ち着いてきたのに、再婚ってなったら、また混乱させてしまうなって。
――再婚はしない決断をしたと。
HISAKO はい。ただ、MARKとの子どもが欲しいという気持ちはどんどん大きくなって、自分の中で悩み抜いた結果、未婚のまま妊娠する決断をしました。
子どもたちからは、「自分だけ幸せだったらそれでいいんか」と言われた
――MARKさんとのお子さんを妊娠した時、子どもたちの反応はどうだったのでしょうか。
HISAKO 「私たちのことはどうでもいいんか。自分だけ幸せだったらそれでいいんか。最低だ」って怒鳴られました。
それを聞いた時に、「そうだよね。やっぱり諦めよう」って思ったんです。子どもたちにそんな思いをさせてまで、自分の気持ちを優先させるなんてできないと思って。
でも産婦人科の先生に、「子どもたちを大事にすることと、あなたが新しい命を産み出すことは別問題でしょ。産んだらあなたの他の子どもへの愛情は変わるの?」って言われて。「何年かかるかわからないけど、絶対に子どもたちはわかってくれるはず」って先生に背中を押されて、産む覚悟を固めました。
――ご出産されてから子どもたちはいかがでしたか。
HISAKO あんなに反対していたのに、生まれた赤ちゃんを「かわいい、かわいい」ってかわいがってくれました。出産してから2年経った時に、上の子たちが「ママ苦しませてごめん。もう結婚していいよ。11番目だけお父さんがいなかったらかわいそうやん」って言ってくれたんです。子どもたちが認めてくれたことで、ようやくMARKと再婚することを決めました。