――2年越しで家族になったんですね。
HISAKO いろんな葛藤がありましたけど、子どもたちに認められて祝福されてようやく家族になることができましたね。
その時に自分の中に先入観や偏見があったことにも気づきました。助産院に来ていたシングルマザーや子どもと別居している母親が、平然としている姿をみて「なんで笑っていられるんだろう……」って心の中で思っていたんです。でも、自分が経験したことで、あの笑顔の奥にあるいろんな苦悩に気づくことができました。
「こんなお母さんでごめんね~」くらいがちょうどいい
――助産師としても、より一層お母さんたちに寄り添うことができるようになったと。
HISAKO そうですね。それからMARKとの子どもがもう1人欲しいと思いました。理屈抜きに「彼の遺伝子をもう1人……」という思いが止まらなくなってしまって。
――当時HISAKOさんは44歳ですよね。
HISAKO 自然妊娠は難しいということで、半年間、顕微授精という高度な不妊治療にチャレンジしたんですが、結局うまくいきませんでした。
できること全部やったので後悔はないし、よし切り替えて進もうと思っていたんですが、やっぱり諦めきれなくて、45歳から46歳までの1年間は、医療の手を借りずに緩く妊活を続けていました。
やっぱり歳には勝てないなって思った矢先、なんと46歳で自然妊娠したんです。信じられなかったです。「46歳で妊娠? 嘘でしょ」って。喜びと同時に超高齢出産のリスクも頭をよぎりました。
――それで2020年に12番目の愛音(ねね)ちゃんが生まれたんですね。
HISAKO そうです。いろんな奇跡が重なって、生まれてきてくれた子どもです。感謝しかありません。
――現在はお孫さんもいらっしゃるんですよね。
HISAKO はい。2年前に長女がママになりました。私の末っ子は娘の子どもより年下なので、孫という意識はないですね。長女も母親になったことで、ママトークをすることができて、本当に幸せです。
――そんないろんな経験をされたHISAKOさんだからこそ言えることはなんでしょうか。
HISAKO 良いママになろうと思うと大体ハズします。私たちがしてあげたいと思う愛情を必ずしも子どもが望んでいるわけではないと思うんです。こうしなきゃいけないって力まずに、力を抜いて、まずは自分を大事にしてほしいなと思います。
全国のママにもっと自分のために時間もお金も使っていいんだよって伝えたいですね。「こんなお母さんでごめんね~」くらいでちょうどいいと思うんです。人生はいろんなことがあるけど、完璧を目指さずに、気楽に子育てをしてみてくださいね。
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