1ページ目から読む
2/2ページ目

青柳の復活、勝ちパターンの確立……阪神に目立つプラス要素

 まずは、エース・青柳晃洋の復活。思い返せば、悪夢の始まりは開幕投手に決まっていた青柳のコロナ感染による離脱だった。12球団で唯一、「開幕投手」に内定していた投手が直前で不在になるハンデを背負ったのが、今季の阪神だ。

 青柳は4月15日に復帰すると、そこから3連勝をマーク。復帰後のチーム成績は9勝6敗と、間違いなく勝ち星のペースが上がっている。

4月29日、巨人に完投勝ちして笑顔を見せる青柳晃洋(右から2人目) ©時事通信社

 開幕早々に新守護神・ケラーが大炎上してなかなか定まらなかった勝ちパターンの継投も、アルカンタラ→湯浅京己→岩崎優でようやく落ち着いた。

ADVERTISEMENT

 2年目の佐藤輝明は、破壊力そのままに粗っぽさが消え、クリーンアップを安心して任せられる打者へと成長している。

 青柳以外の先発陣も西勇輝、ウィルカーソンが安定感を発揮し、5月1日には高卒3年目の西純矢が7回1失点の好投を見せ、ローテ争いに食い込んできた。

 今後はここに、伊藤将司や藤浪晋太郎も復帰してくる見込みだ。

 もっと言うと、あのケラーも二軍で9試合に登板して自責点ゼロ、防御率0.00と「まるで別人」のようなピッチングを見せている。

 歴史を振り返っても、開幕9連敗から優勝したチームなど存在しない。

 ただ、それがなんだ。

 プロ野球では、毎年のように「史上初」の出来事が起こっている。

 昨季はヤクルト、オリックスがリーグ優勝を果たし、「史上初めて」前年最下位の2球団が頂点に立った。

 今季もロッテ・佐々木朗希が、「史上初めて」完全試合を達成した次の登板でも「8回パーフェクト」の快投を見せた。

 次は、阪神だ。

 悪夢の4月も明け、ここから猛虎の逆襲が始まる。

 見てろよ、セ・リーグ5球団。

 あきらめたら、そこでペナントレースは終了だ。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2022」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/53892 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。