近年ではキャンプを趣味とする芸人のヒロシなど、芸能人がYouTubeにアップするキャンプ動画が人気を博し、13年以降、キャンプ人口は7年連続で上昇。
コロナ禍にあっても、むしろ「密を避けられるレジャー」として注目を集め、20年の流行語大賞には「ソロキャンプ」が選ばれた。キャンプ用品の売り上げも好調で、20年の推定市場規模は前年より約16%増え、過去最高の約876億円に達している。
「緊急事態宣言などで公営キャンプ場が閉鎖された期間もあり、20年のキャンプ人口は前年から30%減の610万人となりましたが、日帰りを含む国内旅行者の数が前年から50%減となっているのと比べると、コロナの影響は比較的少なかったといえます」(同前)
キャンプ人口の底上げに一役買っているのが、初心者キャンパーの存在だ。日本オートキャンプ協会によると、キャンプ経験1年未満のビギナーは、19年の22・6%から20年は25・9%と増加。一方でキャンパーの裾野が広がったことで、新たなトラブルも生じている。
ゴミ問題に無断キャンセル…キャンプ場を悩ますトラブル
キャンプ場にこの1年間のキャンパーのマナーの変化について問うと、21・2%が「悪くなった」(前年12・8%)と回答している(日本オートキャンプ協会調べ)。具体的な内容としては、筆者が冒頭で経験したような深夜の騒音やゴミ処理をめぐる問題などが多い。
「ゴミは基本持ち帰りとしているキャンプ場もあるのですが、すると周辺のコンビニなどのゴミ箱に捨てていくキャンパーが続出します。『どうせ土に還るから』と生ゴミをそのあたりに捨てる人もいる」(前出・キャンプ場スタッフ)
コロナ禍ならではのトラブルもある。
「密にならないようネット予約を導入したキャンプ場も多いのですが、無断キャンセルに悩まされています。いくつかのキャンプ場を押さえておいて、当日の状況で決めて、他の候補先にはキャンセル連絡しない人がいるんです」(同前)