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「いつも開幕前は不安しかないんです」日本に“セカンド戦国時代”を到来させた楽天・浅村栄斗という孤高

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/05/17

個人的に、浅村栄斗選手に求めることは唯一つである

 開幕から好調だった楽天は首位をキープし、ペナント最初の山場であるゴールデンウィーク期間は全勝。その後、4連敗を喫したものの、疲れがたまるところでの一休みという雰囲気があり、強いチームは負け方も強いものである。実際、楽天はいわゆる「変な負け方」はしていない。そして、これが今シーズン初の連敗だったことも特記しておくべきだろう。

 楽天好調の要因は先発陣の盤石さや、松井裕樹選手の圧倒的信頼感に加え、やはり西川遥輝選手の加入が大きい。打率以上に出塁能力があり、何と言っても俊足が魅力である。彼がランナーに出れば、相手投手はストレートを中心としたピッチングで組み立てざるを得なくなり、その後を打つ黒川選手や浅村選手に響いているのだろう。

 神がかっている勢いこそ落ち着いた感があるが、それでも昨日の西武戦では、西川選手が1安打、浅村選手が2安打としっかり機能している。

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 話は少しそれるが、開幕から不調が続いていた北海道日本ハムファイターズが早くも「自力優勝消滅」したと一時期ニュースになっていた。「自力優勝消滅」はなかなかのパワーワードだが、そもそも自力で優勝するチームなどない。

 それと同じように、バッターも自力だけでは良い成績は残せない。例えば、自分のあとのバッターが全く打たなければ、自分は勝負してもらえなくなり、自ずと成績は下がっていく。逆に後ろのバッターが良ければ積極的に勝負してもらえるようになり、成績も上がっていくものだ。

 新加入の西川選手、そして四番として存在感を見せる島内選手や昨日もホームランを打ったマルモレホス選手。お互いがお互いを援護射撃することで、強打者は、さらに輝きを増すだろう。

 今年の楽天は間違いなく、強い。

 そして、個人的に、浅村栄斗選手に求めることは唯一つである。

 それは、令和最初の三冠王。

 そのタイトルが、君にはきっと似合うよ。

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