昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

首位楽天イーグルス不動の4番・島内宏明が故郷と母へ向けて真顔で話したこと

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/05/10

 2022年5月6日。東北楽天ゴールデンイーグルスの歴史に新たな1ページが刻まれた。球団史上初の8連勝という記録、その後のゲームにも勝利し10連勝という球団記録を打ち立てている。

「今年の楽天は強いねっ!」「エラーの数は12球団で一番少ない」などなど……ファンの人たちといろんな会話をすると、そんな話になるがその時間が妙に心地がいい。今のよろこびは今味わいたい!という精神である。

 さて現在チームは9年ぶりのリーグ優勝、日本一に向かって走っている。そこで今回は楽天イーグルス一筋11年目・島内宏明選手をご紹介させていただきたい。

©河内一朗

「今年はこどもにファンレターを返そうかなと」

 5月8日、母の日のオリックス戦。10回表2アウトからライトスタンド一直線の決勝ホームランを放ち勝利した。球団記録更新となる10連勝に大きく貢献しお立ち台では「お母さんのために打ちました」と気持ちを込めて話した。

 2年連続で母の日に勝利打点をあげた島内選手はゲーム後、報道陣の方から「お母さんに何か贈られましたか?」と聞かれ、「おくっていないので現金を贈りたいです」と笑いを誘ったあと、「いつも感謝の気持ちをもってお母さんのことは思っています。いつもありがとうと贈りたい」と話した。

 こんな素敵な親孝行があるのだろうか。地元・石川県で農業を営むお母さまへの最高のプレゼントになったにちがいない。

 思えば今年1月6日、今年最初にインタビューをしたのは島内選手だった。

 今シーズンの目標をきかせてもらうと「今年はこどもにファンレターを返そうかなと思います。串小学校というところが出身校なんですが、生徒全員が僕にお手紙をくれたんです。そういうのもあって、できるだけファンレターを返したいなと思っています」

 こどもたちから元気をもらった分、今度はこどもたちに恩返ししたいという優しさが島内選手の言葉から溢れていた。

 過去に島内選手は同じ少年野球チームに属していた釜田佳直選手と野球教室を地元でやりたいと話していた。またその釜田選手と一緒にお立ち台に上がりたいとも教えてくれた。故郷を思う気持ちが島内選手の中には常に宿っているのだろう。

 余談だが、自分は選手にいつも好きなおにぎりの具を聞いている。島内選手は「おにぎりおじさん」と声をかけてくれている数少ない選手である。くわえて「2分だけください」と声をかけて取材しているため、おそらく「2分だけくださいおじさん」とも認識してくれている。

 口を開けば、真顔でいつも話すのでボケているのか真剣に答えているのか分からない時もある。ただ、それこそが島内選手の魅力なのだ。そして奇想天外なコメントでおなじみの試合中の談話は、楽天イーグルスファンを楽しませてくれている。