――そしてダチョウ倶楽部、とりわけ上島さんと言うと、昨年亡くなられた志村けんさんとのお仕事も印象が強いです。
上島 志村さんは……、人生の師匠でした。初めて会ったのは96年の秋頃で、プロレスラーの川田利明さんの紹介がきっかけです。深夜に「いま志村さんと麻布で飲んでる」って電話が来て、「エッ、志村けんさん?」と聞いたら「うん。竜ちゃんも来たらって言ってるけど、どうする?」って。でも実は最初断ったんですよ。「僕は志村さんに会ったことないから」って電話をガチャンと切っちゃいまして(笑)。でも切っても切っても川田さんから電話がきて、何回目かに「しつこいな!」と怒りながら出たら、電話の向こうで志村さんが「俺だけど」って。
――これ以上ないぐらい最悪の出会いです。
上島 本人は笑ってたけど、ひたすら謝りました。そこから雑談になって「ダチョウ倶楽部はネタやってるの?」と聞かれたんで、やってないって答えたら「『バカ殿』で3分間ぐらいあげるって言ったら(ネタ)やる?」と。そんなのやるに決まってるじゃないですか。そしたら「だったら3分ぐらいいじめてやろうか、お前らを」と志村さんが笑ってね。まぁ冗談だろうと思ってたら、年末の「バカ殿」特番に本当に呼ばれたんですよ。
志村けんに言われた「お前は俺の彼女か」
――覚えていてくれたんですね。志村さんとの初共演はどうでしたか。
上島 「バカ殿様」は憧れでしたからね。決まった時はリーダーもジモンも大喜びでした。バカ殿の命を狙う忍者という設定で3分のネタを作って、志村さんが「やっぱり面白い」と喜んでくれたんです。しばらくゲストで呼んでいただいているうちに「お前らバカ殿の家来をやらないか」という話になり、そこから20年以上バカ殿様とスペシャル番組でご一緒しました。
――一時は志村さんと一緒に麻布十番や六本木に連日繰り出して派手に遊んでいたという伝説が残っていますが。
上島 本当に連日一緒にいたので、地方ロケが終わって飛行機で帰る時も、志村さんに「今から飛行機乗ります」って連絡していました。「お前は俺の彼女か」って言われましたけどね(笑)。「俺が誘うばっかりじゃなくて、本当はお前とかダチョウ倶楽部のほうから『今日連れて行ってもらえませんか?』と言ってくるのが筋なんだよ」ってよく言われましたけど、やっぱりこっちからは誘えませんよ。それでも何回かは志村さんの家に電話したんですけど、「志村です」って出た瞬間にガチャンって切っちゃったり(笑)。