「警察だ! 動くな!」
約30人の警察官が入口の二重扉を開け、薄暗い店内へ流れ込む。店内には約80人の男女がおり、着衣が乱れている者や全裸で性行為真っ最中の人も。警察官は状況を把握すると、従業員や利用客に手錠や腰縄をかけて連行した。
約15年の歴史を持つ“日本一のハプニングバー”の幕引きの瞬間だった――。
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5月8日、東京・渋谷にある日本最大級のハプニングバー「眠れる森の美女(Sleeping Beauty)」の経営者・広瀬理基容疑者(40)と従業員、利用客ら計10人以上が逮捕された。逮捕された男女は他の利用客から見える場所でセックスしていたとして公然わいせつ罪、広瀬容疑者ら従業員は公然わいせつを可能にする部屋を提供していたとして公然わいせつほう助の疑いが持たれている。
セックス中だった男女2名が現行犯逮捕
異例の摘発の顛末について、全国紙の社会部記者が説明する。
「警察が有名ハプニングバー『眠れる森の美女』の摘発に踏み込んだのは5月7日23時40分頃。警察が踏み込んだ瞬間も店内では利用客の男女2名が部屋でまさにセックスの最中だったのですが、その部屋にはマジックミラーの小窓があり、隣の部屋から様子が見える状態になっていました。立ち入りの瞬間にセックス中だった男女2名が公然わいせつで現行犯逮捕、それが他の客から見える場所を提供したということで店舗経営者らが公然わいせつほう助罪で逮捕されました。立ち入り日はゴールデンウィーク最終日のイベントが開催されていて、主に20代から30代の男女約80人で賑わっていました」
ハプニングバーとは、客同士で“ハプニング”が起こることを楽しむという名目で営業されているバーだが、性的なパートナー探しが目的の客がほとんどで店舗内でセックスまで可能な店も多い。定期的に摘発を受けてなくなる店もある中で、15年にわたって営業を続けてきた「眠れる森の美女」は老舗とも言える存在だった。