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 SBはプレイルームが外側から覗けるなど法令に触れる部分もありそれが摘発につながったが、店のルール自体は徹底されていたという。

「SBではコンドームなしでのセックスは禁止なので、不審なカップルがいるとプレイ中でもスタッフにコンドームをつけているかどうか確認されたりするんです。他にも店の外で女性に接触しようとする出待ち行為や連絡先の交換を禁止するなど、細かいルールが設けられていました。ゆるいんだか厳しいんだかわかりませんよね」(前出・風俗ライター)

窓部分は入念に密封されている ©文藝春秋 撮影・細尾直人

 店内のルールを徹底するためにも、そして日々強化される取り締りを逃れるためにも、警察の潜入捜査官が入店することを防ぐ必要があった。そのために、SBはセキュリティに力を入れていたという。

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「店の入り口は二重扉になっていて中が見えないようになっており、身分チェックも厳重で、免許証のような顔つきの身分証に加えて保険証も必要でした。都内の他の店はスタッフが2人から5人の店がほとんどですが、SBでは8名以上のスタッフが店内を巡回していました。ルール違反が見つかって出禁になった人もいます。そういった店内トラブルがきっかけで警察に目をつけられる店も多く、一番派手に営業していたSBが一番店内の秩序を守っていたのはそのためです。その成果もあり『SBだけは絶対に摘発されない』という“SB神話”が囁かれるほどでした」(前出・風俗ライター)

摘発がGW最終日だった理由は…?

 今回摘発されたのは、Twitterやホームページで大々的に宣伝をするなど存在感が大きくなりすぎていたことも影響しているという。

「表向きは深夜酒類提供飲食店の届け出をしていましたが、同店が常時公然わいせつ状態だったのは明らかでしたからね。情報提供も頻繁にあったようです。摘発がGW最終日だったのはイベントで人が多かったのもあるでしょうが、いわゆる“普通の勤め人”が少ない日を狙った、せめてもの情けだと思います」(前出・社会部記者)

看板も設置し、大々的に営業していた ©文藝春秋 撮影・細尾直人

 日本一のハプニングバーの呼び名は伊達ではなく、SBには週末になると100人ほどが訪れていた。売上も一昨年からだけで5億4000万円以上にのぼると見られている。それでも逮捕された経営者の広瀬容疑者は「納得できない」と容疑を否認しているという。

 2年に一度ペースで大型の摘発が行われてきた都内のハプニングバー。象徴とも言える店舗の摘発に業界は戦々恐々としている。