「コロナは陰謀」を信じる保護者がPTA会長に立候補
中部地方の、とある公立中学校のPTAに、今年初めて「会長立候補者」が現れました。
このPTAは数年前から適正化を進め、加入も活動も自由に選ぶことができます。雰囲気よく活動しているせいか、来年度の役員も昨年のうちにほぼ内定しており、本部役員さんたちも平穏に過ごしていました。
しかし、年が明けて間もなくのこと。一人の保護者が突然「来年度のPTA会長に立候補する」と名乗りをあげたのです。この保護者・Mさんは、これまでPTA活動に参加したことが全くなく、役員の誰とも接点がありませんでした。
さらにMさんは「コロナ陰謀説」を信奉しており、ワクチン接種はもちろんのこと、マスクの着用にも強く反対していました。これまでも、マスクの着用禁止等を求めて何度も校長室を訪れていたため、立候補を知った校長先生も真っ青に。
今回MさんがPTA会長に立候補したのは、やはりマスク着用禁止やワクチン接種拒否等を、子どもたちに浸透させるためだといいます。
役員さんたちは、悩みました。本音としてはやはりMさんには会長にならず、お引き取り願いたいと思うものの、反マスクや反ワクチンも一つの考え方です。自分たちだけの判断で却下するわけにもいかない――。
「どう対応するべきか、役員みんなで相談している」ということでした。
こういった話を聞くと「PTAが立候補者を嫌うのも仕方がないのかな……」と思うかもしれません。でもだからといって、役員さんが自分たちだけの判断で立候補した人を排除してしまうのは、正しいやり方ではないでしょう。一部の保護者が恣意的な判断で役員を選んでいたら、民主的な団体ではなくなってしまいます。