籠池長男の肩パッド、ケヴィン・スペイシーの清潔感
おぐら 森友学園の籠池夫妻も地方に生息する“野生み”あります。
大嶋 籠池夫妻は、夫婦間で男女が逆転しているのも面白いですよね。奥さん(諄子氏)がおじさんで、旦那さん(泰典氏)がおばさんっぽいです。
おぐら たしかに(笑)。内田裕也と樹木希林もそんな感じ。
鹿島 長年連れ添うと、ああいうことになっちゃうんですかね。
おぐら ちなみに、事件のあと長男の佳茂氏は木こりになりました。
鈴木 えっ、あの隣でフォローしてた息子ですか?
おぐら そうそう。
大嶋 私、気になったのでスタンプにして持ってきました。
――籠池家の長男を、ですか!?
大嶋 スーツの肩パッドがあまりに張っているのが気になって選びました。髪型は角刈りで、時代とズレている感じがあるんですよね。
鹿島 やっぱり、地方ってすごいね。
鈴木 でも、肩パッドがある服って、例えば昔の人を小バカにするためにギャグとして買おうと思っても、なかなか見つからないじゃないですか。なんでこの人たち、手に入るんだろう?
おぐら 地方の商店街に行くと、まだ普通に肩パッドのスーツ売ってる洋服屋さんありますよ。僕の実家は埼玉の郊外ですが、薬とかスーツとか、チェーン店よりも付き合いのある個人商店で買う傾向は多少残ってます。
――そして、ケヴィン・スペイシーのスタンプも……。
大嶋 『ハウス・オブ・カード』を1話からずっと順番に見てたんですけど、ケヴィン・スペイシーは肉体がどんどん分厚くなっていくんです。鍛えてるからなのか、厚くなった理由は分からないんですけど、すっごい気になって。
おぐら 三島由紀夫、長渕剛、松本人志のラインで言うと、文化系の男性はその道で結果を出したあと、後年になって体を鍛えはじめます。
鈴木 鶴太郎はヨガでガリガリに……。だけど、あれも体の造形を変化させる方向に注力していったということなんですかね。
大嶋 あと、ケヴィン・スペイシーはインナーに二の腕が隠れるくらいの袖丈のTシャツを着ていて。袖があるところを見ると「清潔感があってちゃんとしてるな」と。
鹿島 こうやって見ると、ケヴィン・スペイシーが日本のオヤジにも見えてきますよね。
鈴木 ポマードっぽくて、橋本龍太郎みたいに見えてきます。
大嶋 あとの2人は、私が街中で見つけて目が釘付けになったおじさんたちです。私にとっては、おじさんの「加減が度を超えている」ところがめちゃくちゃ気になるんですよね。たとえば生島ヒロシさんがライザップで減量した時、「これは正しいのか?」と。突然あの生島さんが小麦色で「俺、ダイエットしたんだ」って来られても、何て言えばいいのかわからない。
鹿島 そこ、「おじさん盲点」だよ。彼らはよかれと思ってやってるんだから(笑)。
写真=鈴木七絵/文藝春秋
(後編に続きます)