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3) 現行のミサイル防衛システムとは何が違うの?

発射されるSM-6 米ミサイル防衛局サイトより

 発射された弾道ミサイルが、宇宙空間を飛翔中(ミッドコース)に迎撃する。その迎撃ミサイルには、SM-3ミサイルを用いるが、日本が導入するイージス・アショアには、現行のイージス艦が搭載するSM-3ブロックIAより大型で高性能なSM-3ブロックIIAを搭載すると見られる。長射程を有するブロックIIAにより、2基を設置すれば日本全土をほぼカバー出来ると言われている。

 北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が叫ばれて久しいが、世界的には巡航ミサイルの拡散・高性能化も懸念されている。弾道ミサイル防衛(BMD)だけでなく、巡航ミサイルも含めた脅威に対応する、統合防空ミサイル防衛(IAMD)という概念が拡がりつつある。アメリカが開発中の艦対空ミサイルSM-6を搭載することで、広範囲の巡航ミサイル迎撃も可能になる。また、日本に設置されるイージス・アショアのレーダーには、現行のSPY-1ではなく、開発中のSPY-6を搭載するとも報道されている。

4) どこに設置されるの?

 直近の報道では秋田県の新屋(あらや)演習場と山口県にあるむつみ演習場が候補地とされており、選定のために行う調査費を今年度の補正予算に盛り込むという。

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 これまでに候補に挙がっていた場所は、いずれも日本海・東シナ海に近い自衛隊施設の敷地だ。北朝鮮から日本に向けて弾道ミサイルが発射された場合、SM-3の理想的な迎撃位置は発射地点と目標の中間に近ければよいが、本州に設置する場合は日本海側が都合がよい。既存の自衛隊施設内に建てることで、土地取得費用を抑え、警備上でもメリットがある。

 11月16日の朝日新聞によれば、政府は高出力の電波を発するレーダーを置く関係上、既存の航空自衛隊のレーダー基地に配備する可能性を探っていたが、敷地面積の確保が出来ず見送ったという。

5) いつ完成するの?

 導入までおよそ5年を想定しており、来年度予算で導入が決まったら、完成は2023年度になる。

 土地は既にあるので、建設自体のハードルは低い。しかし、前述のように、SM-6やSPY-6といった新機軸を導入する場合、アメリカ側の同意や開発がイージス・アショアの導入に間に合うのかといった政治的問題、開発スケジュールの問題も考えられる。