文春オンライン

風に強いベイスターズ選手は牧、佐野、嶺井? ハマスタとZOZOマリンの“風問題”

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/06/08
note

強風が吹くことが多いZOZOマリン、週末からの3連戦、風予報とベイスターズ予報

 ハマスタでは夏場の海風はホームからライト方向へ吹きます。今シーズンここまで横浜スタジアムでの30試合中、南風が平均風速5m/s以上吹いた試合が11試合あり、チームは7勝4敗とまずまずです。南風が吹いた11試合の各選手の成績を調べると、牧選手は通算15本のうち6本のホームランを打っています。そのうち5本は風にも乗るライト方向でした。佐野選手は、打率.366で、ライトへ2本のホームランを打っています。宮﨑選手、ソト選手、大和選手も打率3割台、関根選手は打率.353と好成績です。5月5日には戸柱選手、倉本選手、宮本選手が同じイニングにホームラン。最近では2日のバファローズ戦で蝦名選手がライトへ強風に乗ったホームランを打ちました。南風が強い日は、ベイスターズに追い風になっているようです。

牧秀悟 ©時事通信社

 週末にベイスターズとマリーンズの3連戦が行われるZOZOマリンスタジアムは、南西に東京湾が広がっています。風は、陸地の上を吹く時は、地面や建物などの摩擦で多少弱まります。海の上を吹く時は、摩擦が小さく、あまり弱まりません。ZOZOマリンスタジアムは、南西からの強風の時は半端ない風になります。

 むかーしむかし、2016年4月29日のこと。マリンスタジアムのスコアボードの上で、こいのぼりが3匹泳いでいました。試合中、3匹のこいのぼりのうち、お父さん1匹が風で飛ばされてしまいました。その後さらに、子どものこいのぼり1匹も飛んでいってしまい、一家離散となってしまったとさ。

ADVERTISEMENT

「サードフライ、いや流された、ファウルボール」とか、「レフトへ上がったぁ入るか、いや平凡なレフトフライ」とか、「ライトへ上がった、右へ流される、取れない!」など、映像でもよく見る光景です。ZOZOマリンスタジアムの風については、今回の対戦相手でもあるマリーンズ広報の梶原さんが書かれた記事も過去にあります。また、研究論文も出ていますので、詳しくはそちらを読んで頂くとします。簡単に言うと、南西の風は、レフトからホーム方向への風になりますが、グラウンドレベルでは真逆の風が吹くことがあり、レフトへ高く上がった打球は戻されますが、ライナー性の低い打球は伸びることがあります。

 さて、週末の3連戦では、多少風が強まりそうな日はありますが、南西からのとてつもない強風は、今のところなさそうな予報です。追い風に乗るのはどちらのチームか、風向きなんか悪くても、“どこ吹く風”と実力を発揮するのは、どの選手なのか。

 私は、嶺井選手に期待したいと思います。南風のハマスタで、風に関係なくレフトへホームランをかっ飛ばしました。風の強い沖縄出身の嶺井選手の活躍で、ちむどんどん(わくわくするという意味の沖縄言葉)し、チームはどんどん追い風に乗っていくでしょう。

 以上、ベイスターズ予報でした。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2022」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/54726 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

風に強いベイスターズ選手は牧、佐野、嶺井? ハマスタとZOZOマリンの“風問題”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!