他紙にはあって、読売の「国民栄誉賞」記事にはなかった言葉
今年も9月17日に各紙で「首相、年内解散を検討」と報道されたあと「大義」が問われた。すると翌日に読売は、
《2019年10月の消費税率10%への引き上げ時の増収財源の使い道について、国の借金返済から幼児教育無償化など子育て支援の充実に変更することを争点に掲げる方針だ。》(9月18日)
と、解散の理由を丁寧に教えてくれた。
実は最近も「ああ、さすが読売」と思わせる記事があった。
それは「国民栄誉賞」報道である。
12月13日の各紙夕刊をみてみよう。
「将棋永世7冠 囲碁7冠2度 羽生、井山 国民栄誉賞 政府検討」(毎日新聞)
「羽生・井山に国民栄誉賞 政府検討 将棋、囲碁界で初」(東京新聞)
「羽生・井山両氏に国民栄誉賞検討 棋士受賞なら初」(朝日新聞)
実はこれらの夕刊記事はすべて「後追い」なのである。その日の朝刊の1面で読売新聞はこう報じていたからだ。
「羽生・井山 国民栄誉賞」(12月13日朝刊)
他紙はこのあとの夕刊でさえ「政府検討」という表現なのだけど読売は「国民栄誉賞」とキッパリ!
政府関係者が明らかにした、という独走態勢
《政府は、将棋で史上初の「永世七冠」を達成した羽生善治竜王(47)と、囲碁で初めて七冠を2度達成した井山裕太棋聖(28)に、国民栄誉賞を同時に授与する方向で最終調整に入った。前人未到の偉業で将棋界と囲碁界の発展に寄与した功績を評価した。将棋・囲碁の棋士の受賞は1977年の賞創設以来初めてとなる。》(読売 同)
記事中でも「授与する方向で最終調整に入った」とキッパリ! それもそのはず、こんな一文が次に。
《政府関係者が明らかにした。》
ああ、そりゃ確かだわ。
翌日の読売は大独走。
「羽生さん『大変な名誉』 井山さん『成長したい』…国民栄誉賞 決定へ」(12月14日朝刊)