テッパンネタは「時計の針がしゃっきーん(借金)」
関係者によると、「10年以上前に心筋梗塞で亡くなった」という噂が流れ、消息もつかめていなかったという高橋容疑者。その名を知らぬ者はいない表舞台のスター・さんまと袂を分かった後、“元相方”は、転落の日々をどのように過ごしてきたのだろうか。
「掛け時計の針が、しゃっきーん(借金)、しゃっきーんと聞こえますねん」
「私、世間では死んだことになってますわ」
高橋容疑者が披露する落語のなかで、テッパンだったという自虐ネタ。会場は笑いに包まれたというが、これが“ネタ”ではなく、現実の話だと知る客は少なかったようだ。
司会が本当にうまく、礼儀正しかった
Aさんが高橋容疑者に出会ったのは約20年前のこと。知り合いのイベント会社の社長に誘われ、高橋容疑者が司会をするディナーショーに出席した時の話だ。テレビに出演する有名芸能人や歌手が招かれ、場所は名古屋駅近くの高級ホテルの宴会場。場は華やかな雰囲気に包まれていたという。
「テレビでは聞けない吉本の裏話や他の芸人の悪口をネタにして、客の笑いをとっていました。“さんまさんのブラックバージョン”といった感じで、間が空いても七五調でベラベラ淀みなく話し始める。落語自体はあまり面白くないのですが、司会だけは本当にうまかった。
本人は、島田紳助さんの結婚式で司会をしたのも自分だと自慢していました。完璧なアドリブで会場を沸かせるだけではなく、物腰も柔らかかった。帰り際、私が角を曲がって見えなくなる最後まで深々と頭を下げていました。礼儀正しかった印象が記憶に残っています」(Aさん)
その後、年に数回ディナーショーに招かれるようになるが、徐々に連絡の頻度は減り2015年を最後に連絡が途絶えた。「脳梗塞になった」と風の便りに聞いていたが2019年9月、Aさんのもとに突如、高橋容疑者から電話が入った。
「私は『久しぶりですね。脳梗塞になったと聞いて心配していましたが、お元気でしたか』と言ったんです。すると『元気、元気』と言った後、すぐに『それはええんやが、いきなりやけど金貸してくれへんか』とお願いされたんです。